先日、ある会社の方から特許保険について質問されたのですが、恥ずかしいことに特許保険の存在自体を知りませんでした。そこで備忘録的に調べてみました。
特許保険は、AIU保険会社の法人向け商品のようで、以下のような内容の商品です。
AIUの特許等知的財産権特約は、貴社のサービスや商品が、第三者の知的財産権を侵害しているとして、損害賠償請求(注1)を受けた結果、貴社が負担する法律上の損害賠償金・争訟費用(注2)を支払限度額1,000万円まで補償します。
(参考URL) http://www.aiu.co.jp/business/product/liability/kojin_joho/ippan/patent.htm
また、本商品についての分析が以下のHPでされています。
知財保険の研究(⽇本弁理⼠会近畿⽀部 知的財産制度検討委員会)
(参考URL) http://www.kjpaa.jp/public/pu_01studies/pdf/2012kenkyuu.pdf
支払い限度額1000万円ということで、今は試験的に提供している保険のようです。今後本保険にニーズがあれば、支払い限度額も大きくなり、使い勝手もよくなると思います。
では、このような特許保険は有効なのでしょうか。
今後支払限度額が大きくなれば損害賠償金を補填する意味で有効とは思います。
ただし、特許訴訟では、損害賠償よりも、差し止めにより将来得られるべき利益が失われることによるダメージの方が大きい場合もあります。
将来得られるべき利益の金額については、当然補償の対象とはなりませんので、特許保険の効果は限定的かと思います。
したがって、保険があるから安心、というのではなく、基本に忠実に特許調査をしっかり行って侵害を回避する努力を行い、補完的に特許保険を利用することがよいと思います。
2013年3月10日日曜日
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