特許事務所で働いていたりすると、人の出入りが激しいため、仕事の引き継ぎ作業が大変だったりします。そういう時は仕事の内容がマニュアル化されていると、引き継ぎも楽に行えます。
事務所の経営から見た場合には、人の出入りのリスクに対応するため、業務のマニュアル化が必須ともいえます。
ただし、マニュアル化というのは従業員にとっては、良くもあり悪くもあります。
良い点としましては、マニュアル化により業務内容が明確となりますので、忙しい時や急用があるときは他の人に仕事を分担してもらうことができます。
悪い点としましては、仕事が特定の人のスキルに依存しなくなりますので、いわゆる「自分の代わりはいくらでもいる」という状態になり、他の人との競争の結果、解雇されやすくなったり、給料が低く抑えられたりします。
特許事務所では、ひとりで仕事を抱え込んでいる人もいますが、そういう人はマニュアル化に抵抗して、自分を守っているのかもしれません・・・。
さて、同じようなことが、技術の標準化にもいえると思います。
近年、知財戦略の一環として、国際技術標準に取り組む企業が増え、国もその後押しをしています。
ただし、何でもかんでも標準にすればよいというものではありません。技術の標準が進みますと、一定の品質の製品を誰でも製造することができるようになります。
したがって、標準を満たした製品であれば、結局安く作れる企業や国の製品が市場のシェアを伸ばすことになります。
例えば、パソコンや携帯電話は、安く作れる企業の製品がシェアを伸ばし、日本の製品は苦しい戦いを強いられております。
一昔前では、信頼出来るブランドの製品しか売れませんでしたが、今では、同様の規格で製造されておりますので、後は価格勝負となります。
したがって、標準化活動というのは、実際には自社のコア技術が標準化されないようにする活動ともいえます。
自社のコア技術についてはブラックボックス化し、その周辺の重要性の低い部分を標準化してゆくことにより、「自社の代わりはいくらでもいる」という状況を回避できるのではと思います。
2013年7月20日土曜日
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