知財立国は成ったか、というような記事が新聞に連載されていたそうです。しかし、私は有料会員ではないので、どういう記事かは知りません。
成ったかどうか、私にはよくわかりませんが、私が良く行く本屋における知財関連書籍の減少をみると、後退しているのではないかと感じてしまいます。
私が弁理士になった2003年は、知的財産基本法が施行された年でもあり、これからは知財の時代だという期待感がありました。
その頃、私がよく行く本屋では、知財関連書籍が8ブロックの棚をつかって並べられておりました。
しかし、今は5ブロックに減少しています。知財に関する興味が減って、知財関連の本が出ない、売れない、というのが現状と思います。
また、弁理士試験関係の書籍は3ブロックの棚をつかって並べられておりましたが、今は1ブロックを残すのみとなりました。
弁理士試験を受ける人が減って、本が出ない、売れない、というのが現状と思います。
結局のところ、知財は不要、弁理士もいらない、という感じになってしまっているのではないでしょうか。
なんでこのような状況となってしまったかといえば、これはよく言われるように、特許権侵害訴訟の勝訴率が2~3割と低すぎるからではないでしょうか。
訴えても勝てない、訴えられても負けない、というのであれば、誰も知財にコストをかけませんし、他のことにお金をかけた方が合理的です。
さらにいえば、侵害訴訟ともなれば、訴訟費用(弁護士費用)も500万~1000万となりますが、損害賠償額でうん千万とれませんと、費用対効果で割に合わないことになります。
ということで、本屋の棚からみたら、知財立国は遠くなった、ということになるでしょうか。