2025年2月8日土曜日

「先使用権があるから大丈夫」って本当?~特許出願との比較で考えてみた~

「新製品を出すんだけど、特許出願って費用かかるよね~。先使用権があるから大丈夫でしょ?」

よくこんな声を聞くんです。でもちょっと待って!そんなに甘くないですよ。今日は先使用権の意外と知られていない「お金と手間」の話をしてみたいと思います。

先使用権って、そんなに簡単じゃないんです

「先使用権があります!」 「はい、そうですか。では引き下がります」

...こんな展開、残念ながら現実にはありません(笑)

実は先使用権って、裁判所が「あなたにはその権利がありますよ」って認めてくれて、はじめて確定する権利なんです。つまり...

  • 地方裁判所で戦う
  • 負けたら高等裁判所に控訴
  • 場合によっては最高裁判所まで行くことも

考えただけでも大変ですよね?

証拠集めが超大変!

「じゃあ、証拠をしっかり残しておけばいいんでしょ?」

そう、その通りなんです。でも、これがまた大変なんです。必要なものを見てみましょう:

  • 伝票は全部保存
  • 実験ノートもちゃんと保存
  • 会議の議事録も取っておく
  • これら全部に確定日付やタイムスタンプも必要

しかも、これらの資料を保管する場所も必要です。倉庫代もバカにならないですよね。

特許出願との比較

ここで考えてみましょう。

特許を出願する場合:

  • 一回の費用で済む
  • 権利化されれば強い味方に
  • 管理も比較的シンプル

先使用権に頼る場合:

  • 証拠集めの手間が大変
  • 保管場所も必要
  • 裁判になったら費用も時間もかかる

じゃあ先使用権って意味ないの?

いえいえ、そんなことはありません!

先使用権が特に有効なのは:

  • 企業秘密として守りたい技術がある場合
  • 他社に真似されたくない製造ノウハウがある場合

ただし、こういった場合でも、あれもこれもと先使用権で守ろうとすると大変なことに。本当に重要な技術に絞って考えるのがポイントです。

まとめ

「特許出願の費用がもったいないから先使用権で」

一見そう思えるかもしれません。でも実は、手間やコストを考えると、特許出願の方が「お得」かもしれないんです。

特許出願するか、先使用権で守るか。技術の性質や重要度を考えながら、賢く選んでいきたいですね!

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