先日投稿した論文ですが、査読を開始するとの連絡がありました。
査読を通れば来年前半には公開され、通りませんでしたら、仕方がありませんので、日本マーケティング学会のワーキングペーパー送りとなります。
日本マーケティング学会のワーキングペーパーとして2件ほど公開しておりますが、そういえば、最近まったく見ておりませんでしたので、確認してみました。
一つ目の論文は
となります。 総ダウンロード数122、総閲覧数301となっております。ダウンロードや閲覧いただいた方、まことにありがとうございます。
この論文は2012年ごろに書きましたので、ちょうどMOTを修了したての頃に作成したものです。したがって、技術経営の勘がある頃でした。
この論文のよいところは、マーケティングプロセスがまとめられているところです。これは農工大MOTのマーケティング概論の講義資料をまとめたものですので、内容はなかなかよいです(私の力ではありませんが・・・)。
私もたまにこの部分は復習がてら見返すことがあります。
マーケティングプロセスに特許情報を無理やり当てはめているのが、図7です。この図からわかるように、 なかなか難しいことになっております。
また、特許情報からは、「品質」,「価格」,「理念」,「ビジョン」,「利益」、「売上」、「顧客ニーズ」等の抽象的な情報はとれませんので、このあたりが、マーケティングプロセスへの特許情報適用の限界となります。
(なお、品質や顧客ニーズについては、この後の論文で考慮できるようになりました。)
そうしますと、かなり限定的な分析となりますが、無理せず、一般のマーケティング情報も合わせて用いればよいのかと思います。この論文を書いた時には、特許情報原理主義者でしたので、そこまでは考えませんでした。
環境分析の結果が図11となりますが、今の自分でしたらどういう図を作成するかなと考えますと、多分、IPランドスケープの本から適当にもってくることになるでしょうか。
この図のよくないところは、分析にFIを使用していることと、作成に特許マップソフトを使用しているところです。これでは、特許実務に慣れた人でないと、図の意味を理解できないことになります。
今見ても面白いのが図14です。セグメンテーションとターゲティングをアンゾフのマトリクスを使って、一つの図に表現しています。結構すごいと思いますが、どなたか褒めてくださいませんでしょうか・・・
一方、まったく手付かずなのが、ポジショニングとミクロ分析となります。このあたりは、QFDと多空間デザインモデルを使用すれば、処理できるかもしれません。
ということで、IPランドスケープやQFDなど、最近の知見を使用して、マーケティングプロセスを再考してみるのもよいかもしれません。来年の知財ネタの一つにできそうです。