2019年3月2日土曜日

キャッチコピー再び(4)


最後に、ブランド資産と便益階層からまとめたブランドアイデンティティですが、以下のようになります。

ブランドエッセンス
=キャッチコピー
コアアイデンテティ
拡張アイデンテティ
信頼できる手続き
手続きの信頼性
国家資格
グローバスビジネスを支える
グローバル性
ビジネスの優位性
自社優位性のアピール
価値の創出
幅広い知識の所有
法律の知識
技術の知識

やはり、一般人には理解しにくいものとなりました。

ブランドエッセンスとしては、
・一般人にわかりやすい用語の選択
・特許、意匠、商標、知財は用語としてわかりくいから使用しない
・一般人のボキャブラリー内の用語を使用
となりますが、どうなんでしょうか。

BtoB企業のCMを見ますと、イメージ広告が多く、どういう仕事なのか想像できないものが多いですが、きっとこういう事情からなのでしょう。

ブランド活動の要諦は、「ブランドアイデンティティを正しく顧客の頭の中のブランドイメージに転写する」ことにあります。

そうしますと、キャッチコピーに必要な要件は
・理解性
・許容性
の2つとなります。

理解性を充たすには、一般人のボキャブラリー内の用語を使用する必要があります。そうしますと、「特許」は微妙ですが(最近は、下町ロケットや朝ドラでも「特許」がでてきますので大丈夫かもしれませんが)、「アイデア」あたりは星野源の曲にもありますので、使えそうです。

許容性につきましては、例えば、弁理士はすごい仕事だ、とか言っても、一般人は「イラッ」とするだけで、まともには聞きません。

許容を容易にするには、やはり便益を明確化する必要があるでしょう。つまり、あなたは何をしてくれるのか、です。

思えば、企業年金のキャッチコピーは、「老後の安心」という便益をキャッチコピーに盛り込めばよいのである意味楽でした。

さて、このような感じで、キャッチコピーを作成して応募しましたが、結果発表は4月末ということになります。結果が発表されましたら、答え合わせがてら、採用作品を紹介したいと思います。

2019年2月28日木曜日

サービス標準について

本日はサービス標準の研修を受けてまいりました。

2019年7月1日施行の産業標準化法によれば、サービス標準のJIS化が本格的に始まることになります。

サービス標準とは、ピンと来ないかもしれませんが、例えば、ホテルのサービスの内容を標準化するとか、病院やらレストランやら遊園地やら、サービスを提供するものでしたらなんでも標準化の対象となります。(実際に標準化するかどうかは別のはなしとなりますが・・・。)

従来のJISは第2次産業のみを対象としておりましたが、法改正後は第3次産業も対象になるということです。したがって、JISなんて関係ないと思っていた方も、これからは要注意となります。

それでは、サービスの標準化を進めればよいと考えますが、やはり簡単にそういう訳にはいきません。

1つは実装の問題です。標準は作っても使われなければ意味がありません。そうすると認証を行う必要がありますし、ステークホルダーに認証の有効性を理解してもらう必要があります。

2つめは差別化をどうするかという問題です。サービスの標準を定めますと、サービス品質が均一化しますので、サービスを受ける方にはメリットがあるのですが、事業者は差別化がしにくくなります。

そうしますと、サービス標準に関しても、オープンクローズ戦略のようなものを取る必要がありますが、具体的手法につきましては、まだ誰も知りません。

我こそはという方は、サービス標準のオープンクローズ戦略を是非研究してみてください。

2019年2月27日水曜日

ロゴマークの作成法について

先日ロゴマークの作成法の研修を受けてきました。パワーポイント等の配布資料が0でしたので、備忘録的に作成手順について記録しておきたいと思います。


なお、ロゴマークは造語で正確には、ロゴタイプとトレードマークとなります。

講師は、長野オリンピックのロゴマークを作成された方でした。説明された作り方は以下のような感じでした。

STEP1は、情報収集となります。設定されたテーマに関する情報をなんでもかんでも大量に集めます。長野オリンピックの場合には、長野の歴史、文化、自然、に関するビジュアルデータを収集します。

STEP2は、キーワード抽出となります。収集したビジュアルデータから、大量のキーワードを抽出します。キーワードの数は数百~といった感じでした。

STEP3は、マークに使用するキーワードをいくつか選択します。マークにしますので、何らかの形態(形状、色彩)を想起させるキーワードを選択する必要があります。長野オリンピックの場合には、雪の結晶と、人の輪と、花でした。

STEP4は、マーク作成となります。キーワードの形態をデフォルメして、色を変えたり、大きさを変えたり、組み合わせを変えたり、様々な試行錯誤による調整を行います。と、簡単に書いていますが、一番根気がいる作業となります。

STEP5は、マーク案をいろいろな人に見てもらい、良くないところがないか確認します。同時に何らかの権利に抵触しないか確認します。

マークの重要な所は、多くの人に受け入れられることだそうです。多少なりとも不快感があると、以前の東京オリンピックのマークのようにいらぬ詮索をされてボツになるおそれがあるそうです。したがって、このいろいろな人によるチェックの部分が一番重要となります。

感想としましては、マーク作成には結構工数がかかるなという印象です。仕事としてやるには、1マークあたり数百万円くらいいただかないと、満足のゆくマークはできない感じです。もちろん、それだけのフィーをいただけるのは一流のデザイナーだけでしょうが。

私も機会があれば、ロゴマークの作成にチャレンジしたいと思います。

2019年2月19日火曜日

キャッチコピー再び(3)


弁理士の便益の階層分析は以下のようになります。

便益
広く一般の方
特定ベネフィット
(情緒的、自己表現的便益)
⇒顧客がどのように感じるか
信頼できる手続き
グローバルな支援の安心のサポート
法律と技術がわかる、頼りがいがある
一般ベネフィット
(機能的便益)
⇒顧客が何をできるようになるか
知財の創出、知財の権利化、知財権の活用(収益化)支援、ビジネスの参入障壁構築支援、ビジネスの差別化支援
ファクト
(属性、特性)
⇒顧客に提示される特性、プロセス
特許明細書作成、出願手続き、特許査定率、勝訴率、出願件数、出願費用、訴訟代理、契約・技術標準アドバイス

ここで難しいのが、弁理士はBtoBの仕事が多いので、企業に対する便益はあるのかもしれませんが、一般人に対する便益はほとんどないところです。

お題としては、「一般への認知性」がありますので、一般人への便益を分析したいところですが、ないので仕方がありません。

このあたりで、もはや良いキャッチコピーを作ることができないことを感じました。

話は変わりますが、最近テレビを見ておりますと、BtoB企業のテレビCMをよく見かけます。

視聴者はBtoB企業の製品を買うことはありませんので、無意味と思いますが、おそらく新卒の求人のためにCMをうっているのでしょう。

ビジネスがBtoBのみとなりますと、一般人から遠くなってしまうという寂しさがあります。

ということで、次は、ブランドアイデンティティの作成を行いたいと思います。

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