2019年11月1日金曜日

自分でする特許出願 -クレジットカード納付の注意点-

さて、自分でする特許出願シリーズですが、特許出願関係の料金をクレジットカードで納付できることは以前書きました。

しかし、1点注意点があります。それは、庁メンテナンス中はクレジットカード納付ができない時間があることです。

私のように趣味で出願している場合には、土曜、日曜の夜中に特許庁への手続きをすることが多くなります。

しかし、このような時間はメンテナンス中であることが多く、クレジットカード納付ができないことが多々あります。

この場合取りうる措置は、
(1)メンテが終わるまで待つ
(2)強制送信する
の2つがあります。

メンテが終わるまで待つのがよいのですが、例えば、特許出願はできるだけ出願を早くしたいため、メンテ明けが翌日などになる場合には、待てない事情もあります。

この場合、強制送信するのですが、これは注意が必要です。

私は、特許庁からの通知は郵送で受け取る設定にしておりますので、強制送信した場合には、補充指令が書留で庁から郵送され、それに応じて補正書をオンラインで提出すれば事足ります。

しかし、補充指令が来ず、オンラインで手続却下通知が送信され、これに気が付かない場合があります。

特許事務所では、毎日特許庁からの通知を常時チェックしているので、このようなことは無いのですが、個人的に出願する場合には、年に1件くらいしか出願しないので、オンラインのチェックなど基本的にはしません。

そうすると、却下理由通知を見逃すことになり、顔が真っ青になります。このようなことを避けるために、特許庁からの通知は郵送処理としているのですが・・・。

とはいえ、趣味で出願する場合には、強制送信のような実務では絶対にやらないようなリスクをあえておかして、どのようなトラブルが生じるかの知見を得ることができますので、これはよい勉強になります。

ということで、オンラインで出願した場合には、週1回くらいは、出願ソフトを立ち上げて、特許庁から何か通知が来ていないか確認した方がよいこととなります。

2019年10月24日木曜日

サービス化する知財

改正意匠法の施行が来年春に迫っております。

意匠法の改正の内容にはいろいろあるのですが、その一つに内装の意匠の保護の新設があります。

この内装というのは、要は店舗内装でして(住宅内装等もありますが)、なぜ店舗内装を保護する必要があるかといえば、飲食店のサービス模倣を防ぐ趣旨があると思います。

居酒屋や飲食店は、一つの業態が当たると、雨後の竹の子のように、類似の店舗が立ち始めます。鳥貴族やいきなりステーキなどがそうかもしれません。

似たような店が増えますと、そちらにも客が流れますので、儲けが少なくなります。しかし、模倣だと訴えようとしても、不競法の周知性の要件が厳しかったりして、裁判ではなかなか勝てません。

店舗内装の意匠の登録を受けておけば、模倣店に対しては、独占排他権である意匠権を行使できますので、有利に戦えるかと思います。

つまり、内装意匠の保護というのは、飲食店や小売業等のサービスを保護するための法律といえます。

また、商標法もトレードドレスを保護できるような法改正が議論されており、特許に関しましても、いきなりステーキの判決のようにサービスが保護される可能性が出てきました。

標準化も工業標準化法が産業標準化法へ変わったりして、こちらもサービスの標準化を重視しております。

現在、日本のGDPに占める割合がサービス業が7割で、製造業が2~3割ですので、サービス業を適切に保護することが日本経済上も非常に重要であるため、この流れも当然といえるかもしれません。

さて、弁理士というのは工学系出身者が多数を占めておりますが、これは、従来の知財が製造業の保護を主眼としており、工学系の知識がなければ業務を遂行できないからです。

しかし、今後知財においてもサービスが重視されるとなれば、工学系の知識よりも経営系の知識が重要となると思います。そういう意味では、経営系の弁理士がこれから活躍する時代が来るのではないでしょうか。

2019年9月7日土曜日

非技術的世界の侵食について

私のように高度に?訓練された弁理士は、明細書を書く際に、技術的事項と非技術的事項を無意識に判断して、明細書には非技術的事項を意識せずとも記載しません。

ここでいう技術的、非技術的とは、自然法則を利用しているかどうかが判断基準となります。例えば、人為的取り決めは、非技術的事項となります。人為的取り決めは、自然法則を利用しませんので、特許になりません。

このような非技術的な記載をしますと特許庁から拒絶理由がばんばん来て、お客さんからは能力のない弁理士という烙印を押されてしまい、仕事がなくなりますので、仕事がなくなる恐怖心から上記のように思考が高度に訓練されてしまう訳です。

という状況下で、最近話題の「いきなりステーキ特許」に関する研修に行ってまいりました。

この「いきなりステーキ特許」の明細書は、私のように高度に訓練された弁理士には、びっくりの内容なのですが、知財高裁でも決定は取り消され、見事に特許が維持されております。

なお、以下は、ほとんど私見ですので、参考にはなりませんことを了解願います。

私は「いきなりステーキ」に行ったことがありません。行こうとは思うのですが、いつも店の前に長蛇の列ができており、また、ランチとするには少々お高いので、私のような貧乏弁理士は、なかなかいけません。

伝え聞くところによると、いきなりステーキは、肉の測り売りをしており、このような個別のオーダーで、肉を焼いてお客さんに提供するのが、ビジネス上の特徴のようです。

明細書や請求項にも、上記ビジネス上の特徴が記載されているのですが、肉の測り売りをしており、このような個別のオーダーで、肉を焼いてお客さんに提供するのは人為的取り決めですので、発明とはなりません。

もちろん、上記工程を機械で自動化すれば発明にはなりますが、人間が作業しておりますので発明になりません。

では、なぜ特許になったかといえば、上記肉の提供手法自体が新規であり、その非技術的効果の大きさが裁判官にの心証に影響を与えたのではないかと思います。

裁判官は工学系の人間ではなく、私のように思考が(特許庁により)訓練されているわけもありませんので、非技術的なビジネス上の効果を素直に評価して、発明として守るべきと考えたのではないでしょうか。

それで、今後の実務をどうするかとなりますが、これはもう、積極的に、非技術的事項を請求項と明細書に記載してゆくしかありません。

ただし、非技術的事項のみではさすがに特許とはなりませんので、例えば、

請求項1:非技術的事項80%、技術的事項20%(いきなりステーキレベル)
請求項2:非技術的事項50%、技術的事項50%(多少安全をみる)
請求項3:非技術的事項20%、技術的事項80%(厳しい審査官にはこれが限界)
請求項4:技術的事項100%

のような割合で、非技術的事項と技術的事項を、発明特定事項に振り分けて、段階的に記載した請求項を複数作成することが考えられます。

なお、上記事項はあくまでも日本限定の話となります。米国や欧州では、非技術的事項を請求項に入れますと、拒絶理由がばんばんくることになり、無能の烙印を押されますので、日本向けと外国向けのクレームは変える対処が必要です。

今回の判決ですが、個人的にはよかったのではないかとは思います。私もお客さんの発明相談で困るのが、これは人為的取り決めなので出願できません、と言わざるを得ないケースが多々あることです。

しかし、経済はソフト化しておりますので、昔のような、ハードウェア主体の製品開発というのは、少なくなり、ビジネスモデルとか仕組みとか、そういうところに特徴のある製品・サービス開発が今後は主体となると思います・

これからは、そういうものも権利化できる可能性がでてまいりましたので、私も、高度に訓練された思考を一旦リセットして、今後の実務に臨みたいと思います。

2019年8月31日土曜日

お尻に火がついている件

前回はコードまでつくりましたが、次のコーディングルール作りは難儀しております。

ひとまず、暫定のコーディングルールをつくり、ブランドQFDを出力したのが、以下の表となります。



当初の、「肌触り構造」や「親子のスキンシップ」については、該当する単語がなかったので削除となりました。

一応上記が、世界初のテキストマイニングにより作成されたQFDとなります(おそらく)。

今後ですが、上記出力結果をみて、コーディングルールの改善を進めることになりますが、今月は残念ながら、貧乏弁理士にはめずらしく、仕事が立て込んでおり、改善作業はできません。

10月に予稿の提出がありますので、この完成度の低いQFDで予稿を書かなければならなくなりそうです。

その後も忙しければ、学会発表も完成度が低くなりますが、さて、どうなりますでしょうか。

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