2021年12月21日火曜日

来年の作業について

ブログ投稿も今年最後となりそうですので、来年しようと考えている作業についてまとめてみます。 

1.知財デザイン手法の開発

知財デザイン手法ですが、今のところ以下のようにまとめようと考えています。

当初はIPランドスケープの手法を取り入れようと考えておりましたが、その後勉強したところ、IPランドスケープとは経営層とのコミュニケーション論を意味するようで、特別の特許分析手法はないようです。

したがって、IPランドスケープはとりあえず考えないことにしました。 

来年の知財デザイン手法の作業としては以下の3つを考えております。

(1)Excelを使用した特許分析手法のマニュアルづくり

Excelを使用した特許分析については、先行文献がいくつかありますので、その内容を取り入れつつ、オリジナルのQFD分析を取り入れてまとめたいと思います。

これは、来年前半行いたいと思います。

(2)KHcoderを使用した特許分析手法のマニュアルづくり

KHcoderを使用した特許分析については、先行事例があまりありませんので、ほぼ0から考えることになります。

KHcoderのホームページにはKHcoderを分析に使用した論文のリストがありますので、これら論文の調査をして、特許分析に使用できそうなものをまとめる作業を行おうかと思います。

これは来年後半行いたいと思いますが、秋口に入りますと冬期鬱のような症状もでて作業効率も落ちますので、夏あたりに作業できればと思います。   

 (3)pythonのお勉強

Excelによるクロス集計やKHcoderによる自然言語処理はpythonでもできますので、pythonを習得すると、これら手法をまとめてできる可能性があります。

とはいえ、独学では無理そうですので、何か安いスクールを見つけて勉強しようと思います。よいスクールをご存じの方がいらしたらお教え願います。

2.知財学会

知財学会ですが、来年のテーマは「テキストマイニングを使用した潜在ニーズの発掘(仮)」となります。

昨年は技術探索をし、今年は用途探索をしましたので、来年はニーズ探索をやろうと思います。これでネタ切れに近くなると思います。

例年どおりGWに作業してまとめたいと思います。まとまりませんでしたら、学会発表は回避となるかもしれません。 

ということで、来年もよろしくお願いいたします。

2021年12月19日日曜日

発明を寝かせる

今はやっておりませんが、以前は個人発明家の相談業務をしていたことがありました。

発明相談では、発明の特許性のアドバイスや明細書の書き方アドバイスをするのですが、もちこまれる内容は様々でした。

私は、特許性の判断はできるのですが、実際の製品化については良いアドバイスができず、困ることが多かったです。

発明としては、それなりのレベルが多いのですが、はたして売れるのだろうか?とか、特許出願に費用をかけても果たして回収できるのだろうか?、という疑念が多かったです。

例えば、とてもメカニカルなスピーカーについて相談を受けたことがあるのですが、発明としてはかなりのレベルなのですが、今は音楽はヘッドフォンで聞くことが多く、スピーカーの需要は以前ほどないと思いますし、メカニカルなことから、スピーカー自体の価格も高額になることが予想されます。

そうしますと、発明としては問題ないのですが、市場性には問題がある、ということになります。

発明相談の場でもそういう話を簡単に議論しますが、そもそも答えのない話ですし、あまり追及して発明をつぶしてしまうことも問題ですので、課題の提示のみで議論は終了することになります。

こういう場合どうすればいいのか考えてみましたが、一つの考えとして、特許権だけはとっておいて、発明を寝かせておき、状況が変化したら製品化してみてはどうか、と思いましたがいかがでしょう?

そもそも製品がヒットする条件としては、製品としてよいこともありますが、むしろ、外部環境の変化にたまたま適合したというものも多いと思います。

例えるなら、春を待って冬眠する熊のようなイメージとなります。

先ほどのスピーカも、例えば、日本人の多くが防音の効いた立派な家に住むようになり、筐体をガラス製としてメカ部分をシースルーにしてインテリア性を高めつつ、スピーカーで音楽を聴くような状況になれば、売れる可能性が高まります。

特許権の存続期間は20年あり、冬眠期間をしばらくとれますので、外部環境の変化を待つ時間が取れます。もちろん待つだけではなく、営業活動や製品の改良を進めることでもよいです。

現実的な冬眠期間は10年となりますでしょうか。10年を超えますと権利維持費用が高額になりますし、存続期間の残りが少なくなりますと、特許により得られる利益額も少なくなります。

技術の変化は激しいですから10年あれば見切りをつける期間としても十分なのではないでしょうか。 

この作戦のよいところは、特許権があれば他社は参入できませんので、10年の猶予期間ができることにあります。そういう意味では将来の事業化可能性を特許権により確保できることがメリットとなります。

ということで、事業化の見込みが見通せない場合には、ひとまず特許を使って発明を寝かせてみてはいかがでしょうか。

2021年11月28日日曜日

知財学会の発表が終わりました。

知財学会の発表が無事?に終わりました。

当初の予想では発表時間が余りそうでしたので、ゆっくり目にしゃべろうとしましたが、結果としては発表時間オーバーとなりました。まだまだ修行が足りないようです。

次回来年のテーマは今のところありませんので、年明けにでも探そうかと思います。

学会の所感ですが、知財情報分析については、市販の特許マップソフトに頼らない発表が多く、とてもよいと思いました。

具体的には、エクセルやパイソンや私のようなKHcoderなどを使ったオリジナルの分析が多く、以前のようなどこかで見たような特許マップをズラリ出すというような発表ではなくなりました。

おそらく今後は分析にパイソンを使う人が増えてくると思いますので、私もその波に乗り遅れないようにしたいと思います。

また、特許庁からのAPIを利用した発明の品質分析が増えてくると思います。従来の特許情報分析に加えて、特許品質分析が特許分析の2本柱に育ってゆくとよいなと思います。

今回の発表内容については、文書にまとめてどこかで公表できるようにしたいと思います。

2021年11月23日火曜日

知財学会の予稿集についての雑感

11/27,28に開催の知財学会の予稿集が入手できました。その雑感を述べたいと思います。

ただし、内容について多く触れますと問題があると思いますので、問題にならない程度にしたいと思います。

なお、本ブログのアクセスは1記事1件くらいしかありませんので、何を書いても問題にはならないとは思いますが・・・。

私の発表は「その他」のカテゴリとなるのですが、申込時は「ブランド・デザイン」でした。事務局により「その他」へ変更されました。

そこで「ブランド・デザイン」を見ますと、やはり意匠法・商標法の発表がほとんどとなります。こういうことでしたら来年以降は「意匠・商標」へカテゴリ名を改名することをお勧めします。

次に、「その他」ですが、ポイントとなりますのが私の一緒のセッションの方の発表となりますので、簡単に(上辺だけ)見たいと思います。

一人目の方が、インテンシブ発表(発表論文3つくらい必要なレベルの高い内容)で、テーマは論文軸・特許軸・科研費軸による分析・・・とのことです。

内容としましては、テーマ名の3軸の立体グラフを作成して、気付きを得るというものです。

論文軸・特許軸・科研費軸のグラフですのでなかなか迫力がありますが、軸がIPC、JST分類、科研費審査分類となっておりますので、図をみましても、各種分類を知らない人には理解が難しいタイプの図となっております。

最近のIPランドスケープの図を見ましても、分類をそのまま軸に使用する図はほぼなく、人が理解しやすい用語に置き換えているものがほとんどですので、そのように改良すれば、より分かりやすい図となると思います。 

あとは軸が細かすぎて、老眼が進んだ私には文字が視認できませんので、このあたりも改良いただければと思います。

二人目の方が、テーマは、審査経過と特許品質との関係の考察・・・となります。

中間処理書類を分析して、拒絶理由の内容と特許クレームの広さとの関係を考察した内容となります。(どういう関係があったのか、無かったのか、については、発表をお聞きください。)

この予稿をみますと、気になる一文がありました。

それは「中間書類の取得には特許庁がトライアル提供中のAPIを使用した」 

このような分析は、やろうと思えば誰でもできたのですが、中間処理書類を入手して分析するのに多大な工数が必要ですので、誰もやりませんでした。

しかし、上記一文にあるようなAPIを使用すれば、データ入手が容易になり、もしかしたら、より少ない工数で分析できるのかもしれません。

このあたりは、私は完全に見逃していました。これだけでもこの発表は聞く価値があるかもしれません。

さて、私の方ですが、パワーポイントの修正をしております。日曜最後の発表ですので、まあどうなんでしょうか。

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