私は会議が苦手です。時間を取りますし、声の大きい人の意見が通ることが多く、参加する意味が無いと思うこともあります(単なる議論下手かもしれませんが)。
先日ある経営会議に出席したのですが、議題は「売上向上」という、どの会社でもあるような議題でした。様々な解決方法を議論した結果、「特定の会社に営業に行く」ことに決定しました。つまり、「売上向上」という課題に対し、「営業」という解決手段を選択したことになります。
こういう会議には、私は2点の問題があると思います。1点目は解決手段を出しあうことには意味がないということです。
解決手段自体は巷に存在する方法を適宜選択すればよいため、googleで「売上向上」を検索すればよいだけの話であり、時間をかけて会議でアイデア出しをするほどのものではありません。会議の前に検索しておいて、参考資料として会議で提示すれば会議も早く終わります。
2点目は、「売上向上」という課題に対して「営業」という解決手段が妥当であるか不明確な点です。「売上向上」という課題はそのままでは解決できない大きさの課題であり、解決できる程度まで課題を分割(ブレークダウン)する必要があります。
マーケティングの4P(place, price, promotion, product)というフレームワークを用いて分割すれば、「売上向上」という課題は、「製品上の課題」、「販売ルート上の課題」、「価格上の課題」、「宣伝上の課題」という単位に分解できます。
「宣伝方法」に課題がある場合には、「営業」という解決手段はそれなりに妥当ではありますが、価格が高い点に課題がある場合には営業しても効果はなく、価格戦略をどうすべきか考える必要があります。
したがって、有効な会議とするには、根本の課題を見出す議論を行うか、予め課題をブレークダウンしておいて会議に参考資料として提出するような工夫が必要でしょう。課題がきちんと設定できれば、解決手段をgoogle検索する程度で効果的なoutputを出せるのではないでしょうか。
時間をかけて会議を沢山行い、仕事をしたつもりにならないよう注意したいものです。
2012年1月21日土曜日
2012年1月12日木曜日
無理難題について
以前の投稿で、下請けの企業は大企業から技術的な課題を提示されるので、下請けの企業は特許情報を収集する必要はないと書きました。この点について、もう少し丁寧に書きたいと思います。(下請け企業とは大企業の仕事を請ける企業とします。企業のレベル云々を表現するものではありません。私自身も下請けの仕事をしています。)
まず、大企業は自社の経営上の課題を設定します。大企業の場合には世界市場におけるシェアを拡大するとか、新たな技術分野に進出するとか、比較的大きな課題となると思います。ただし、大きな課題のままでは課題を解決できませんので、課題を細かく分解して、解決可能な大きさの課題まで小さくします。
これを図解すると次のような感じになります。
大課題⇒中課題⇒小課題の順に課題が小さくなります。例えば、自動車の場合には「燃費の向上」⇒「エンジンの軽量化」⇒「バルブスプリングの軽量化」とでもなるでしょうか。つまり、大企業が車の燃費を向上したい場合には、下請けの企業には、バルブスプリングを現状のものより軽量化してください、との要求を出すことになります。そして、小課題をすべて解決することにより、結果として大課題が解決されることになります。
したがって、大企業は、①課題設定機能、②課題分析機能、③課題分配機能を有するといえます。
このように、下請け企業は大企業の課題の一部を解決することになります。ここで、10%軽量化とか、5%コストを押さえるなどの比較的リーズナブルな課題であれば良いのですが、一部の報道で伝えられているような、50%値下げ要求などの無理難題ともいえる課題が提示された場合にはどうすればよいのでしょうか?
まず、何とかして解決することが考えられます。しかし、課題が無理難題の場合には赤字前提で受注するということになるでしょうか。
また、仕事をお断りするという考えもあると思います。この場合には、大企業からの仕事が今後来なくなることを覚悟しなければなりません。
なかなか難しいかと思いますが、代案を出すという考えもあると思います。大企業の課題分析の結果、50%コストカットという課題が導かれたとしても、課題の設定や課題の分析に問題がある可能性もあります。また、他の見解もあるかもしれません。
ただし、代案を出すためには独自に課題を分析する必要があり、下請け企業には荷が重いといわざるをえません。一番の解決法は、大企業の課題設定及び課題分析作業に下請け企業も加わってもらって、一緒にアイデアを出すことと思います。
そうすれば、無理難題ともいえる課題が下請け企業に提示されることはなくなるのではないでしょうか。
まず、大企業は自社の経営上の課題を設定します。大企業の場合には世界市場におけるシェアを拡大するとか、新たな技術分野に進出するとか、比較的大きな課題となると思います。ただし、大きな課題のままでは課題を解決できませんので、課題を細かく分解して、解決可能な大きさの課題まで小さくします。
これを図解すると次のような感じになります。
大課題⇒中課題⇒小課題の順に課題が小さくなります。例えば、自動車の場合には「燃費の向上」⇒「エンジンの軽量化」⇒「バルブスプリングの軽量化」とでもなるでしょうか。つまり、大企業が車の燃費を向上したい場合には、下請けの企業には、バルブスプリングを現状のものより軽量化してください、との要求を出すことになります。そして、小課題をすべて解決することにより、結果として大課題が解決されることになります。
したがって、大企業は、①課題設定機能、②課題分析機能、③課題分配機能を有するといえます。
このように、下請け企業は大企業の課題の一部を解決することになります。ここで、10%軽量化とか、5%コストを押さえるなどの比較的リーズナブルな課題であれば良いのですが、一部の報道で伝えられているような、50%値下げ要求などの無理難題ともいえる課題が提示された場合にはどうすればよいのでしょうか?
まず、何とかして解決することが考えられます。しかし、課題が無理難題の場合には赤字前提で受注するということになるでしょうか。
また、仕事をお断りするという考えもあると思います。この場合には、大企業からの仕事が今後来なくなることを覚悟しなければなりません。
なかなか難しいかと思いますが、代案を出すという考えもあると思います。大企業の課題分析の結果、50%コストカットという課題が導かれたとしても、課題の設定や課題の分析に問題がある可能性もあります。また、他の見解もあるかもしれません。
ただし、代案を出すためには独自に課題を分析する必要があり、下請け企業には荷が重いといわざるをえません。一番の解決法は、大企業の課題設定及び課題分析作業に下請け企業も加わってもらって、一緒にアイデアを出すことと思います。
そうすれば、無理難題ともいえる課題が下請け企業に提示されることはなくなるのではないでしょうか。
2012年1月7日土曜日
イノベーションについて
さて、もう一つのキーワードである「イノベーション」ですが、これは前にも述べましたように既存のアイデアの新しい組み合わせを考えることが必要です。イノベーションというと何か新しいことをしなければならない気がしますが、考えのベースとなるのは既存の物に過ぎません。
したがって、今あるものをまず知るということが大切と思われます。そして、いろいろな観点でものごとを見てみることが必要なのではないでしょうか。 鳥の目、虫の目、魚の目などともいいますが、観点を変えるとまた違う風景が見えるものです。
例えば、i-podなども出た当時は、あまり売れないだろうという評判が多かったですし、私もそう思っていました。なぜなら、mp3プレイヤーというものが既にありましたので、今更アップルが音楽プレーヤを出しても売れる理由がありませんでした。
しかしながら、現在ではi-podは私も持ってますし、音楽プレーヤーの代名詞ともなっています。これは、音楽プレーヤーというハードウェアとインターネットを組み合わせた部分にイノベーションがあったともいえます。
余談ですが、私は、10年以上前にレコード会社の友人にmp3ファイルを使って音楽のデータだけで販売してみてはどうかと提案したことがあります。しかし、当然ビジネスにはなりませんでした。その理由は、CDより音質が劣るとか、課金システムや著作権の管理をどうするかとか細かい問題もありますが、一番の理由はCD市場を食ってしまう可能性があったからです。
当時はミリオンセラーも多く出ていた時代ですので、わざわざCDの売上を減らすようなビジネスは会社として実行できないのは当然といえるでしょう。
何を言いたいのかといいますと、「イノベーション」とはアイデアだけではダメであり、実行し、世の中に定着して初めて「イノベーション」 といえるということです。i-podに似たアイデアは世界中で考えられていたと思いますが、実際に実行できたのはアップルだけでした。
アップルはCDを製造しておりませんでしたのでネット販売を行いやすかったともいえますが、様々な課題を乗り越えてゆくマネジメントも重要といえるでしょう。
したがって、今あるものをまず知るということが大切と思われます。そして、いろいろな観点でものごとを見てみることが必要なのではないでしょうか。 鳥の目、虫の目、魚の目などともいいますが、観点を変えるとまた違う風景が見えるものです。
例えば、i-podなども出た当時は、あまり売れないだろうという評判が多かったですし、私もそう思っていました。なぜなら、mp3プレイヤーというものが既にありましたので、今更アップルが音楽プレーヤを出しても売れる理由がありませんでした。
しかしながら、現在ではi-podは私も持ってますし、音楽プレーヤーの代名詞ともなっています。これは、音楽プレーヤーというハードウェアとインターネットを組み合わせた部分にイノベーションがあったともいえます。
余談ですが、私は、10年以上前にレコード会社の友人にmp3ファイルを使って音楽のデータだけで販売してみてはどうかと提案したことがあります。しかし、当然ビジネスにはなりませんでした。その理由は、CDより音質が劣るとか、課金システムや著作権の管理をどうするかとか細かい問題もありますが、一番の理由はCD市場を食ってしまう可能性があったからです。
当時はミリオンセラーも多く出ていた時代ですので、わざわざCDの売上を減らすようなビジネスは会社として実行できないのは当然といえるでしょう。
何を言いたいのかといいますと、「イノベーション」とはアイデアだけではダメであり、実行し、世の中に定着して初めて「イノベーション」 といえるということです。i-podに似たアイデアは世界中で考えられていたと思いますが、実際に実行できたのはアップルだけでした。
アップルはCDを製造しておりませんでしたのでネット販売を行いやすかったともいえますが、様々な課題を乗り越えてゆくマネジメントも重要といえるでしょう。
2012年1月4日水曜日
グローバル化について
前回はパラダイムシフトの話をしましたが、現在生じているパラダイムシフトのキーワードとなるのは「グローバル化」と「イノベーション」と個人的には思っています。つまり、「グローバル化」と「イノベーション」を推進することが生き残りの鍵と考えます。
さて、「グローバル化」と簡単にいいますが実際にはどうすればよいのでしょうか。ちまたでは「グローバル化」に対応するために英語を勉強することが薦められておりますが、語学を習熟すればグローバル化に対応できるのでしょうか?
確かに語学はコミュニケーションを図る意味で重要と思いますが、会社内に通訳の方を沢山雇っただけではグローバル化企業となれるわけではないことは明らかと思います。
「グローバル化」の一つの考え方としては、「課題」や「解決手段」のネタを日本国内だけではなく国外に求めることにあると思います。つまり、従来は日本国内で閉じていた「課題」や「解決手段」の探索の範囲を国外に広げるということです。
例えば、製造コストを低減したいという課題を解決するために、「解決手段」として、人件費、土地代、税金が安い外国に工場を建設することなどがあります。従来は、国内に工場を建設していましたが、この検討範囲を海外にまで広げることが、「グローバル化」の一つの形なのではないでしょうか。
実際に日本企業は中国やベトナム、タイに工場を立てて、ユニクロなど成功している企業も多くあります。
ただし、「解決手段」をグローバル化することは非常に容易であり、第三者が模倣しやすいというデメリットがあります。つまり、「解決手段」をグローバル化しても差別化できる期間は短く、競争優位はすぐに失われることになり、価格競争から逃れることはできません。
それでは、「課題」のグローバル化はどうでしょうか?例えば、P&Gなどはインドで歯磨きを売るために超低価格のハミガキを販売していたりもします。これは、インドの低収入や歯磨きの習慣がないという課題に対応するものです。
同様にサムスン電子などは、低価格のテレビをブラジルなどの新興国に投入しております。このような国に応じた「課題」をうまく拾えれば、中々真似されにくく競争優位を長く維持することが可能となるでしょう。
ただし、このような国に応じた「課題」を抽出するには、その国の課題を把握する必要があり、非常に難易度が高いともいえます。ある程度のリソースを投入してその国の情報収集(マーケティング)に時間をかける必要があるといえるでしょう。
このような考え方は、グローカルとか現地化とも言われますが、マクドナルドやi-podなど現地化せずとも世界中に普及するビジネスもありますので、世界共通の課題を解決するという考え方もあるかもしれません。
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