「新製品を出すんだけど、特許出願って費用かかるよね~。先使用権があるから大丈夫でしょ?」
よくこんな声を聞くんです。でもちょっと待って!そんなに甘くないですよ。今日は先使用権の意外と知られていない「お金と手間」の話をしてみたいと思います。
先使用権って、そんなに簡単じゃないんです
「先使用権があります!」 「はい、そうですか。では引き下がります」
...こんな展開、残念ながら現実にはありません(笑)
実は先使用権って、裁判所が「あなたにはその権利がありますよ」って認めてくれて、はじめて確定する権利なんです。つまり...
- 地方裁判所で戦う
- 負けたら高等裁判所に控訴
- 場合によっては最高裁判所まで行くことも
考えただけでも大変ですよね?
証拠集めが超大変!
「じゃあ、証拠をしっかり残しておけばいいんでしょ?」
そう、その通りなんです。でも、これがまた大変なんです。必要なものを見てみましょう:
- 伝票は全部保存
- 実験ノートもちゃんと保存
- 会議の議事録も取っておく
- これら全部に確定日付やタイムスタンプも必要
しかも、これらの資料を保管する場所も必要です。倉庫代もバカにならないですよね。
特許出願との比較
ここで考えてみましょう。
特許を出願する場合:
- 一回の費用で済む
- 権利化されれば強い味方に
- 管理も比較的シンプル
先使用権に頼る場合:
- 証拠集めの手間が大変
- 保管場所も必要
- 裁判になったら費用も時間もかかる
じゃあ先使用権って意味ないの?
いえいえ、そんなことはありません!
先使用権が特に有効なのは:
- 企業秘密として守りたい技術がある場合
- 他社に真似されたくない製造ノウハウがある場合
ただし、こういった場合でも、あれもこれもと先使用権で守ろうとすると大変なことに。本当に重要な技術に絞って考えるのがポイントです。
まとめ
「特許出願の費用がもったいないから先使用権で」
一見そう思えるかもしれません。でも実は、手間やコストを考えると、特許出願の方が「お得」かもしれないんです。
特許出願するか、先使用権で守るか。技術の性質や重要度を考えながら、賢く選んでいきたいですね!