2025年3月8日土曜日

「量より質」って本当?~歴史から学ぶ特許戦略のヒント~

 最近、特許の世界でよく聞く言葉があります。

「量より質が大切です!」

確かに、いいことのように聞こえますよね。でも、ちょっと待ってください。本当にそうなんでしょうか?

昔の日本はすごかった!

実は、日本には「特許出願件数世界一」だった時代があるんです。そして、その頃の日本経済は世界でもトップクラスの強さを誇っていました。

「量は質を生む」っていう言葉、ご存知ですか? もしかしたら、当時の日本は、世界一の特許出願数(量)があったからこそ、世界一の経済力(質)を手に入れることができたのかもしれません。

歴史から学ぶヒント

ここで、ちょっと歴史の話をさせてください。 (戦争の話で恐縮ですが、とても分かりやすい例なんです)

日露戦争の時、日本の指導者たちは何を考えていたと思いますか? 実は、「とにかくロシアと同じくらいの数の戦力を持とう!」ということに必死だったんです。

  • 陸上戦力を20万人くらいに
  • 戦艦も5隻くらいに

国の予算をかなり使って、この数字を実現したんです(その分、国民は大変だったみたいですが...)。

そして面白いのは、この「数」が揃ってから、はじめて質の勝負ができたということ。

  • イギリス製の高性能な戦艦
  • 良質な石炭
  • 熱意あふれる日本兵

こういった「質」の面での強みを活かすことができたんです。

逆に、太平洋戦争ではどうだったでしょう? アメリカの圧倒的な物量の前に、質の勝負にすら持ち込めませんでした。

何が言いたいか?

この歴史から、二つの大切なことが見えてきます:

  1. 量があってこそ、質も育つ
  2. 質が効いてくるのは、量が十分にある時

今の日本企業は大丈夫?

実は、最近の「量より質」という話には、ちょっと怪しいところがあるんです。

バブル崩壊後、多くの日本企業は経費削減に走りました。その時の言い訳として、「量より質」という理屈が使われたんじゃないか...というのが私の見方です。

その結果どうなったか? たくさんの特許を出願し続けているアメリカや中国の企業に、どんどん追い抜かれているんです。

まとめ

「量より質が大切」

確かにその通りなんです。でも、それは「十分な量がある」という前提があってこその話。量を無視して質だけを追求しても、うまくいかないかもしれません。

特許戦略を考えるとき、まずは「必要な量」をしっかり確保すること。そこから質を高めていく。そんな順番で考えてみてはいかがでしょうか?

2025年3月1日土曜日

「製造方法は特許出願しちゃダメ?」という迷信について考えてみた

「製造方法は特許出願しないほうがいいよ。秘密にしておくべきだよ」

よくこんなアドバイスを聞きませんか?一見もっともらしく聞こえますよね。でも、ちょっと待って!本当にそうなんでしょうか?

怖い話:もしライバル企業が特許を取っちゃったら...

例えば、こんなシナリオを想像してみてください:

あなたの会社が何年も前から使っている製造方法。ところがある日、ライバル企業がその方法の特許を取っちゃった!

「えぇ!?うちが先に使ってたのに!」

そうなんです。実は、先に使っていても、形式上は特許権の侵害になっちゃうんです。

「でも先使用権があるから大丈夫でしょ?」

そう思いますよね。私も最初はそう思っていました。 でも、先使用権を主張するのって、実はすっごく大変なんです:

  • 昔からの書類を全部保管しておく必要がある
  • 証拠集めが超面倒
  • 裁判になったら時間もお金もかかる

もっと怖い話:改良したら...?

さらに怖いのが、製造方法を改良したケース。 「ちょっと良くしただけ」でも、先使用権が使えなくなることも。そうなると... 「ライセンス料を払ってください」 って言われかねないんです。

「うちの技術は誰にも真似できない!」って本当?

そう思いたい気持ち、分かります。でもね:

  • ライバル企業にも優秀な技術者がいっぱい
  • 技術の進歩は速い
  • 意外と同じアイデアを思いつくもの

実は昔の話が影響してるんです

「製造方法は出願しない方がいい」って考え、実はある時期に広まったものなんです。

昔々、特許庁が審査件数の多さに困って、「出願を減らしたい!」というキャンペーンをしたことがありました。その時に:

  • 「ノウハウは秘密にしましょう」
  • 「外国に技術が流出しちゃう!」 という理屈が広まったみたい。

(でも、外国流出が心配なら、外国でも特許取ればいいだけですよね...?)

企業側も「出願費用が節約できる!」と、この考えを受け入れやすかったのかも。

今は時代が変わってます

最近では:

  • 法律も変わって、製造方法の特許権を主張しやすくなった
  • むしろ特許を取ることで、ライバル企業の参入を防げる
  • 自社の権利をしっかり守れる

まとめ

「ノウハウだから出願しない」

この考え方、ちょっと古いかもしれません。大切な製造方法は、むしろ特許出願して守ったほうが安全な時代になってきているんです。

みなさんも、古い常識にとらわれすぎず、柔軟に考えてみませんか?


2025年2月22日土曜日

特許って不動産投資に似てる?~成功のカギは「先読み力」~

以前、「特許は土地みたいなもの」っていう話をしましたね。

お店を始めるときに土地を確保するように、新しい技術でビジネスを始めるなら特許も確保しておかないと、後から「それ、私の特許なんですけど?」って言われちゃうかもしれない...という話でした。

実は難しいんです、「どこに投資するか」

でもね、ここからが本当の悩みどころ。 「どの特許を取るべきか?」

これって、不動産投資でいうと「どの土地を買うか?」という悩みにそっくりなんです。

考えてみてください:

土地の場合:

  • 駅前の土地?→超高い!
  • インターチェンジそば?→これも高い!
  • 工場の近く?→需要があるけど、やっぱり高い!

当然、いい場所は値段も高いですよね。高すぎる土地を買って、その分を回収できないと意味がありません。

じゃあ、どうする?

賢い不動産投資家って、こんなことを考えます: 「この辺に将来駅ができるんじゃない?」 「ここに新しいインターチェンジの計画があるらしい」

つまり、将来の価値を予想して、今のうちに安く買っておくんです。

特許も同じ発想で!

特許だって同じ考え方ができます:

  • 将来どんな市場が生まれそう?
  • そこでどんな技術が必要になる?
  • 今のうちに特許を押さえておこう!

...という具合です。

でも難しいですよね、「予想」って

「10年先なんて分かるわけない!」

そうなんです。正直、外れることもあります。 だからこそのポイントは...

ある程度外れることを覚悟で、たくさん出願すること!

例えば、100件出願して1件当たれば、全体の費用は回収できちゃったり。意外とギャンブル的な要素もあるんです。

「それって出願料稼ぎじゃない?」

時々こんな声も聞こえてきます: 「弁理士さんが儲けたいから、そんなこと言うんでしょ?」なんて声を聞くことがあります。

でも、ここで要注意なのが「私の予想は絶対に当たる!」「最小限の出願で十分!」という考え方。

実は、これってかなり危険な発想なんです。なぜなら:

  • 技術開発のスピードは年々加速している
  • 競合他社の動きは予測が難しい
  • 市場ニーズは急激に変化することも
  • 一つの技術が思わぬ分野で活用されることも

実際、「これは間違いない!」と思った予測が外れたり、「こんな使い方があったのか!」という想定外の活用方法が生まれたり...。そんな経験、誰にでもあるはずです。

だからこそ、ある程度の「分散投資」的な考え方が重要になってくるんです。


まとめ

特許って、ある意味「技術の不動産投資」みたいなもの。

将来を見据えて、今のうちに権利を確保しておく。でも、予想が外れることもある。だからこそ、ある程度の"分散投資"も大切。

なかなか難しい判断が必要ですが、これも経営の醍醐味かもしれませんね!

2025年2月18日火曜日

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最近、スーパーに行くたびに「あれ?また値上がりした?」と驚くことが増えましたよね。我が家も家計が火の車です...(涙) この状況、ご存じの通り「インフレ」と呼ばれるものです。今日は、このインフレが企業の戦略、特に知財戦略にどんな影響を与えるのか、ちょっと考えてみたいと思います。...