世の中には様々な会社がありますが、大雑把に分ければ大企業と中小企業に分けられます。
中小企業の数の割合は97%くらいですので、数でいえばほとんど中小企業ということになります。しかしながら、売上の規模でいえば67%が大企業(製造業)を占めておりますので、 力の差は歴然と思います。
しかし、大企業に関しましてはあまり景気の良いニュースを最近聞きません。一部商社などは利益を上げているようですが、製造業(特に電機関係)につきましては、大きな赤字を出している企業も多いようです。
高度成長期においては大企業は大きな利益を上げてきました。これは、ニーズがはっきりしており、そのニーズを満たすために組織をあげてリソースをどんどん投入してゆけば、それなりに利益を挙げられたからと思います。つまり、大企業であることの規模のメリットが活かせた時代だったと思います。
しかしながら、成熟化した世の中では明確なニーズが存在しません。したがって、経営戦略をどんどん変化させてニーズを追いかける必要がありますが、これができないため大企業は苦戦しているのだと思います。
変化できない理由の1つとして、大企業は人件費、製造設備等、固定費が多いため、容易に製造品目を変更することができないことがあると思います。
例えば、樹脂製のトイレが、その施工の容易さや軽量さによりにシェアを拡大しておりますが、ライバル企業が参入できるかというとそうでもありません。
これは、従来の陶器製トイレは焼き物であるため、寸法の収縮や割れを防止するために、高度な製造工程を有しており、これが強みでもあるのですが、樹脂製のトイレに参入した場合にはこれら製造設備や職人さんが不要になってしまうからです。
さらに、2つめの理由として、大企業は固定費の大きさから、参入できる分野は大きな利益を挙げられる分野に限られることがあると思います。
最近のニュースで、日本の電機メーカはなぜルンバをつくれなかったか、というニュースがありましたが、それは当たり前のことで、ロボット掃除機というニッチな分野に大企業が参入しても採算があわないのは明白でしょう。
また、3つめの理由として、会社の意思決定を行うためには、社内政治等にエネルギーを割く必要もあり、迅速な意思決定はなかなかできないことがあると思います。
一方、中小企業では、これら大企業のデメリットがないというのが、強みと思います。中小企業であればニッチな分野に進出することも可能ですし、社長がトップダウンで意思決定をすれば、迅速な対応も可能と思います。
したがって、世の中が低成長、成熟化してゆく中で、今後は大企業が淘汰される一方で、どんどん伸びてゆく中小企業が増えてゆくのではないでしょうか。