2025年5月8日の18:30から、知財実務オンラインに出演します。
当日は以下のリンクからご視聴いただければと思います。
出演依頼をいただいた際、テーマは自由とのことでしたので、検討の結果、パテント誌4月号に掲載された私の論文に関連する、AIを活用したアイデア発想法についてお話しすることにいたしました。
セミナーは約1時間を予定しており、下記の内容で進める予定です。
セミナー内容(予定)
セミナータイトル: 生成AIで発想のマンネリ打破!知財実務家のためのアイデア発想法「多空間発想法」実践と自作AIアプリデモ
1. はじめに
ご挨拶と自己紹介
本日のゴール:
特許実務におけるアイデア発想の重要性と、多くの実務家が抱える「発想の難しさ」という課題を共有します。
アイデア発想を支援する「多空間デザインモデル」と、生成AI技術がこの課題解決にどのように貢献できるかのヒントを提供します。
自作AIアプリケーションのデモンストレーションを通じて、具体的な活用イメージを掴んでいただきます。
2. 特許実務におけるアイデア発想の重要性と課題
アイデアが求められる場面: 発明者ヒアリング、先行技術調査で見つけた課題からの展開、権利範囲の検討など、特許実務の様々な場面で創造的なアイデアが不可欠です。
発想の難しさ: ブレインストーミングの限界、TRIZ等の手法習得の困難さ、アイデアが出ないことへのプレッシャーなど、多くの実務家が発想に行き詰まりを感じています。
アイデア発想の基礎: 新規アイデア創出の基盤となる推論(演繹、帰納、仮説形成/アブダクション)について概説します。
3. アイデア発想法「多空間デザインモデル」
従来の発想手法の課題: 人間の能力に依存するため、限界や負担が大きい。
多空間デザインモデル: 複数の要素空間(例:価値、技術など)と推論プロセスを組み合わせる体系的な発想法です。特許情報分析との親和性が高い点に着目しました。
研究の動機:アイデア発想プロセスにおける人間の負担を軽減し、さらに、AIを使用することにより、効率化・自動化を目指します。
4. AIによるアイデア発想支援の研究紹介とデモンストレーション
研究1 (2021年 論文): 多空間モデルの自動生成
アプローチ: テキストマイニング技術で特許情報等から多空間デザインモデルを自動構築。
成果: 情報からのモデル自動作成に成功。
課題: モデルを用いたアイデア創出は依然人間の思考に依存。
研究2 (2023年 GPTs): アイデア生成の完全自動化への挑戦 (デモ1)
アプローチ: 生成AI(GPTs)でモデル生成からアイデア発想までの一連プロセス自動化を検証(【デモ1】)。
成果: 人間の思考を介さないアイデア自動生成を実証。
課題: 生成アイデアの具体性・解像度が低い。
研究3 (2024年 論文): 多空間デザインモデル構築とアイデア創出プロセスの効率化・高度化
アプローチ: 生成AIで洗練された多空間モデルを構築し、質の高いアイデアを効率的に創出するプロセスを研究。
成果: モデル構築とアイデア創出の両立に成功し、実用化(アプリ開発)への道筋を示す。
課題: 研究成果を実用的なアプリケーションとして実装すること。
研究4 (2025年 アプリ): アイデア自動生成アプリのプロトタイプ (デモ2)
アプローチ: 研究3の成果に基づき、自作AIアプリ "Idea Generator (2025)" を開発・実装(【デモ2】)。
成果: ユーザーのクエリに基づき、AIが関連特許情報を選択し具体的なアイデアを自動生成。
課題: 生成アイデアの客観的評価手法の確立。
5. まとめと今後の展望
本日の学び: 多空間デザインモデルの概要と、生成AIによるアイデア発想支援の具体的な研究進展、そして自作アプリによる実現例について解説しました。
AI活用の可能性: 生成AIは、アイデアの種探し、発想の壁打ち、多角的な視点の提供など、特許実務の様々な場面で有効なツールとなり得ます。
留意点: AIは万能ではなく、最終的な判断や深い洞察には人間の知見が不可欠です。AIの特性を理解し、適切に活用することが重要です。
若い方へのメッセージ: まずはAIツールに触れ、アイデア発想のプロセスを意識することから始めてみましょう。
今後の展望: アイデア評価の自動化など、更なる研究開発を進めていきます。
6. 質疑応答
まとめ
当日は、具体的な手法や自作ツールのデモを交え、皆様の知財実務に役立つヒントをご提供できればと考えております。
生成AIを活用した新しいアイデア発想にご興味のある知財実務家の皆様、ぜひご視聴いただけますと幸いです。当日お会いできることを楽しみにしております。