2011年8月24日水曜日

知財デザイン:夏期セミナー第3回目を実施しました

2011年8月24日(水)に、夏期セミナーの第3回目が行われました。講師は新井弁理士です。

「大企業を活用する!! 零細企業の知財マネジメント 」をテーマとしたセミナーでした。

零細企業の実際の知財マネジメントの事例について、かなり突っ込んだ話がされました。現在ドクター論文の作成の山場とのことで、大変お忙しい中ありがとうございました。

(セミナー風景)

次回はいよいよ最終回です。第4回のテーマは「中小企業における知財管理の進め方:こうすれば知財に強い会社になれる!」です。講師は鶴見教授に第1回に引き続いて担当頂きます。第4回からの参加も歓迎いたしますので、ご希望の方は当社ホームページからお申し込みください。

夏の終わりに知財について考えてみてはいかがでしょうか。

課題と解決手段について

さて、発明とはそもそも何でしょうか。簡単にいえば、発明とは「課題を解決する手段」といえると思います。つまり、何らかの技術的な問題が存在し、それを解決するためにいろいろとアイデアを出す作業を行うわけです。

それでは、発明をする場合に「課題」を考えるのと「解決手段」を考えるのと、どちらの作業が重要でしょうか?解決手段は公知の技術を組み合わせればよいのでgoogleで調べれば誰でも考えつくと思います。

一方、技術的な課題というのはその分野の専門家でなければ、なかなか認識することはできません。 したがって、この課題の分析・検討がその後の発明の良し悪しに大きく影響することになります。

課題の分析にはロジックツリーなどを用いて課題をブレイクダウンし、より本質的な課題を抽出する作業を行います。また、特許データベースから課題部分を抽出して課題を分類し、課題の系統図を作成したりもします。

このように課題を考えることは、良い発明を生み出すために非常に重要です。また、新たな課題に基づく発明は、新規性や進歩性を有し特許される可能性も高まります。

この点、特許明細書の構成は、課題⇒解決手段の順となっておりますので、ロジック的に合理的な構成となっています。 

また、必ずしも技術の専門家ではない弁理士が最新の発明の明細書をかける理由もここにあります。明細書に記載するのはあくまでも公知の手段ですので、本やインターネットを調べる程度の能力があれば明細書をとりあえず書くことができます。

2011年8月20日土曜日

発明の作り方について

メーカ系の会社に勤めていると、発明をどんどんしろと上司からはっぱをかけられることも多いと思いますが、そんな簡単に発明を思いつくことはできません。

しかしながら、仕事ですので何とかしなければいけない状況もあると思います。

発明とは簡単にいえば技術的なアイデアです。特許法的にいえば技術的思想の創作うんぬんなのですが、まあどうでもいいでしょう。

したがって、発明もアイデアの一種であるならば、発明を作るにはアイデアの作り方を真似すればいいこととになります。

「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」ですので、これを発明に適用すると、「発明とは既存の技術の組み合わせ」とでもなるでしょうか。(特許性まで考えれば、公知の構成の格別の効果を生じる組み合わせとでもなると思います)。

つまり発明を作るには、兎にも角にも既存の技術を調査して、その組み合わせを考えることが必要と思います。

既存の技術の調査には、技術者の頭の中にある程度の知識があると思いますし、書籍や雑誌、論文を通じて調査する場合もあると思います。

ここで、是非利用していただきたいのは特許情報です。例えば特許情報図書館(IPDL)を使えば、過去の国内出願の情報に24時間365日無料でアクセスできます。加えて、キーワードを使用して検索できますので、必要な情報を的確に抽出することができます。

ということで、発明をしなければならない場合には、まずIPDLをサッと見てみることがおすすめです。

次に、技術の組み合わせを考える方法ですが、これは、人間の無意識に任せるのが基本となります。私も、JR川崎駅の京浜東北線のホームで電車を待っているときにとても複雑なメカニズムを思いついた経験があります(その後、出願して特許になりました)。

したがって会社としては、技術者によく睡眠をとらせ、職場環境を良好にしてストレスを減らし、たまには長期の旅行にいってもらうなどするのが、発明を量産するためには必要と思います。しかしながら実際には、長時間労働させたり、むりやりブレインストーミングさせるなど逆のことをしています。

アメリカなどは自由な雰囲気の会社が多いですが、あまり技術者を束縛しないようにして、アイデアを量産しようとしているのかもしれません。

ここで、人間の無意識に頼ることはなかなか管理できず個人の能力に依存しすぎるので、システマチックに発明をする方法がいろいろ考案されてきました。

代表的な方法としては、TRIZがあります。これは簡単にいえば、技術の組み合わせのヒントをどんどん出してくれる仕組みであり(違うというご意見もあると思いますがご容赦ください・・)、多くはソフトウェア化されてますので、コンピュータの誘導に従って発想して行けます。

例えていうなら、とても難しいクイズがちょっとしたヒントで、はっと答えがわかる、というような感覚です。

私もTRIZを使用して、とても困難な技術的課題をあっさり解決したことが1回だけあります。しかし、TRIZのソフトは使い方がよくわからず実際にはあまり使っていません・・・。大企業ではTRIZを発明に使用しているところも多いと聞きます。

このあたりの作業を効率的にできれば、発明をどんどん量産できるかもしれません。

2011年8月19日金曜日

知財デザイン:夏期セミナー第2回目を実施しました

2011年8月17日(水)に、夏期セミナーの第2回目が行われました。講師は当社川上です。今回の講義では、国内及び外国における知財戦略について説明がされました。

ご参加頂きました皆様、誠にありがとうございました。次回の講師は新井弁理士です。よろしくお願いいたします。

(当社からのお知らせ)
神奈川県内の中小企業様向けに知的財産に関するセミナーを企画させていただきました。詳しくは、当社ホームページを参照願います。第3、4回目につきましては引き続き募集中です。

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掲題の件、セミナーの1/4を担当することになりました。私の担当分は、「【第2部】生成AIで革新する特許データ分析」です。URLは以下となります。 AI 生成AI 特許調査 分析 翻訳 技術情報協会はセミナー・出版・通信教育を通じて企業の最前線に立つ研究者、技術者をサポートし社会に...