メーカ系の会社に勤めていると、発明をどんどんしろと上司からはっぱをかけられることも多いと思いますが、そんな簡単に発明を思いつくことはできません。
しかしながら、仕事ですので何とかしなければいけない状況もあると思います。
発明とは簡単にいえば技術的なアイデアです。特許法的にいえば技術的思想の創作うんぬんなのですが、まあどうでもいいでしょう。
したがって、発明もアイデアの一種であるならば、発明を作るにはアイデアの作り方を真似すればいいこととになります。
「アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ」ですので、これを発明に適用すると、「発明とは既存の技術の組み合わせ」とでもなるでしょうか。(特許性まで考えれば、公知の構成の格別の効果を生じる組み合わせとでもなると思います)。
つまり発明を作るには、兎にも角にも既存の技術を調査して、その組み合わせを考えることが必要と思います。
既存の技術の調査には、技術者の頭の中にある程度の知識があると思いますし、書籍や雑誌、論文を通じて調査する場合もあると思います。
ここで、是非利用していただきたいのは特許情報です。例えば特許情報図書館(IPDL)を使えば、過去の国内出願の情報に24時間365日無料でアクセスできます。加えて、キーワードを使用して検索できますので、必要な情報を的確に抽出することができます。
ということで、発明をしなければならない場合には、まずIPDLをサッと見てみることがおすすめです。
次に、技術の組み合わせを考える方法ですが、これは、人間の無意識に任せるのが基本となります。私も、JR川崎駅の京浜東北線のホームで電車を待っているときにとても複雑なメカニズムを思いついた経験があります(その後、出願して特許になりました)。
したがって会社としては、技術者によく睡眠をとらせ、職場環境を良好にしてストレスを減らし、たまには長期の旅行にいってもらうなどするのが、発明を量産するためには必要と思います。しかしながら実際には、長時間労働させたり、むりやりブレインストーミングさせるなど逆のことをしています。
アメリカなどは自由な雰囲気の会社が多いですが、あまり技術者を束縛しないようにして、アイデアを量産しようとしているのかもしれません。
ここで、人間の無意識に頼ることはなかなか管理できず個人の能力に依存しすぎるので、システマチックに発明をする方法がいろいろ考案されてきました。
代表的な方法としては、TRIZがあります。これは簡単にいえば、技術の組み合わせのヒントをどんどん出してくれる仕組みであり(違うというご意見もあると思いますがご容赦ください・・)、多くはソフトウェア化されてますので、コンピュータの誘導に従って発想して行けます。
例えていうなら、とても難しいクイズがちょっとしたヒントで、はっと答えがわかる、というような感覚です。
私もTRIZを使用して、とても困難な技術的課題をあっさり解決したことが1回だけあります。しかし、TRIZのソフトは使い方がよくわからず実際にはあまり使っていません・・・。大企業ではTRIZを発明に使用しているところも多いと聞きます。
このあたりの作業を効率的にできれば、発明をどんどん量産できるかもしれません。