先日某所で、わたくしの「テキストマイニングを使用したブランドQFD」の論文を披露しましたところ、テキストマイニングの結果なんて何かごちゃごちゃ出てくるだけで訳が分からん、とのご指摘がありました。
実のところ、わたくしもテキストマイニングのアウトプット(特に共起マップなど)は訳が分からんと思っておりましたので、ご意見はごもっともと思いました。
結局、テキストマイニングでは「A」と「B」には確率的な関係がある、すなわち相関関係がある、ということしかわかりません。
しかしながら、物事を理解するには「A」と「B」には因果関係がある、というところにまで持ってゆく必要があります。
特に、理系の人は因果関係にこだわりがありますので、上記のような意見となります。
わたしなどは、相関関係があれば因果関係もあるのではないかと安易に考えてしまいますが、厳密にいえばそれは間違いですので、テキストマイニングを使用する際には注意が必要となります。
テキストマイニングが大いに役立つのは、因果関係が必要とされない世界、例えば、心理空間の分析と思います。
心理空間では因果が存在しない(例えば、自分は赤が好き、ということには理由がない)ので、相関関係だけで処理できるのではないかと思います。
したがって、顧客のニーズ分析などは、テキストマイニングが大いに役立つのではないかと思います。
そう考えますと、心理空間は相関関係重視、物理空間は因果関係重視、それらをつなげるのが多空間デザインモデルということになると思います。
最近思っておりますのが、例えば、アイデア出しというのは、脳内で知識の相関関係が生成されることであり、研究・技術開発というのはその脳内の相関関係を因果関係に変換する作業なのではないかと思います(すなわち心理空間から物理空間への変換)。
そうしますと、テキストマイニングで、脳内の知識の相関関係生成を疑似的に行えれば、人間ではなく、家のパソコンが勝手にアイデア出しをすることができるのではないかと思います。
いままでのアイデア出しは、脳内処理であることから精神論(ブレーンストームや風呂に入るなど)が多く、一般化されておらず、誰にでもできるというものではありませんでしたが、テキストマイニングを使用することにより、アイデア出しはパソコン、実証は人間という役割分担に将来はなるかもしれません。
という話も、私の脳内で相関関係があると認識されたアイデアですので、いつか実証したいと思います。
2020年4月22日水曜日
2020年4月16日木曜日
モデルとマトリクスについて
コロナウィルスの影響で、ブログどころではないのですが、何とか投稿してみます。
この日常生活へのストレスは、東日本大震災時の計画停電を思い出させます。
コロナウィルスのような現象は、いわゆるブラックスワンと呼ばれる現象でして、個人的には、東日本大震災が自分が経験する最後のブラックスワンと思っていましたが、10年も経たずにこのような状況となりました。
そうすると、今後もブラックスワン発生前提の人生設計が必要と思います。ちなみに、私はブラックスワンという本を1ページも読んでおりません・・・(とても難解という噂ですので・・)。
さて、以前お知らせしましたように、パテント誌の3月号に「テキストマイニングを使用したブランドQFDの作成」が掲載されました。
5月中旬には、弁理士会のホームページで無料公開される予定ですので、公開されましたらリンクを張ります。
それで、すでに読んでいただいた方にはお分かりと思いますが、実のところ、ブランドQFDは不要な内容となっております。
論文では、最終的なアウトプットとしてコンテクストを作成しておりますが、これは、類似度行列から直接作成できますので、この論文のように、ブランドQFDの作成をわざわざ介する必要はありません。
情報のまとめ方としては、下記のごとくマトリクス型(QFD等)とモデル型(コンテクスト等)があるのではないか、と途中で気が付きましたが、結局論文作成時の混乱がそのまま残った形となります。
この日常生活へのストレスは、東日本大震災時の計画停電を思い出させます。
コロナウィルスのような現象は、いわゆるブラックスワンと呼ばれる現象でして、個人的には、東日本大震災が自分が経験する最後のブラックスワンと思っていましたが、10年も経たずにこのような状況となりました。
そうすると、今後もブラックスワン発生前提の人生設計が必要と思います。ちなみに、私はブラックスワンという本を1ページも読んでおりません・・・(とても難解という噂ですので・・)。
さて、以前お知らせしましたように、パテント誌の3月号に「テキストマイニングを使用したブランドQFDの作成」が掲載されました。
5月中旬には、弁理士会のホームページで無料公開される予定ですので、公開されましたらリンクを張ります。
それで、すでに読んでいただいた方にはお分かりと思いますが、実のところ、ブランドQFDは不要な内容となっております。
論文では、最終的なアウトプットとしてコンテクストを作成しておりますが、これは、類似度行列から直接作成できますので、この論文のように、ブランドQFDの作成をわざわざ介する必要はありません。
情報のまとめ方としては、下記のごとくマトリクス型(QFD等)とモデル型(コンテクスト等)があるのではないか、と途中で気が付きましたが、結局論文作成時の混乱がそのまま残った形となります。
特許情報分析ではマトリクス型が多く用いられますが、モデル型の方が各要素のつながりが目で見てわかりやすいため、こちらの方がよいとも思います。
このあたりの使い分けを意識的にしているのが「デザイン科学概論」という本です。この本では、分析にはマトリクスを用い、発想にはモデルを用いております。
先日公開しましたワーキングペーパー(https://www.j-mac.or.jp/wp/dtl.php?wp_id=89)の方でも、無意識に、技術分析はモデルを用いた検討となっており、知財分析はマトリクスを用いた分析となっております。
ということで、今後このあたりの役割分担を考えるのも面白いと考えております。
2020年4月3日金曜日
ワーキングペーパー公開について
ワーキングペーパーの方、無事に公開されました。
https://www.j-mac.or.jp/wp/dtl.php?wp_id=89
無査読論文ですのでレベルは低いですが、参考いただければと思います。
これを公開した理由としましては、最近テキストマイニングでQFDをつくるということをやっているのですが、QFDを完成したあたりで力尽き、それではどうやって分析するのかをあまり説明できていないためでした。
今後は、QFDの分析についてはこのワーキングペーパーを見てください、と言い訳がましくいえるので、よいかと思います。
前回の反省を踏まえ、今回は図をカラーとしてみました。しかし、図がかすれたり、字の間隔がおかしいところがあるなど、見苦しいところがあり、完成度はまだまだです。
この論文は2013年のものですが、ここで一旦QFDの研究はやめております。その理由は、特許情報から顧客ニーズを引き出すことに無理があると考えたためです。
特許情報から技術情報を引き出すことは可能ですが、ニーズに関する記載は特許性に貢献しないことから、明細書にニーズの記載は基本的にはありませんので、ニーズを引き出すことは無理となります
(これは、BtoCの場合です。BtoBの場合には技術的課題がそのままニーズとなりますので、QFDを特許情報のみで作ることは可能と思います)。
ニーズ情報を集めるためには、アンケート調査を行う必要がありますが、大規模なアンケート調査は時間とコストがかかりますので、私のように貧乏弁理士には不可能ということで困り、研究ストップとなりました。
それで、2016年に共同研究者の方が、SNSとかレビューとかなら、大量かつローコストで顧客ニーズを集められるのではないかと提案されて、それ以降、顧客ニーズはアマゾンから抽出して、BtoC商品でもQFDが作れるようになりました。
それで、2017年に共同研究者の方が、テキストマイニングを使用したら、もっと楽にQFDを作成できるのではないかと提案されて、それ以降、テキストマイニングを使用してQFDを作るようになりました。
それで今に至るということになります。
今年のテーマはテキストマイニングで多空間デザインモデルをつくるということになりますが、さて、どうなるでしょうか。
https://www.j-mac.or.jp/wp/dtl.php?wp_id=89
無査読論文ですのでレベルは低いですが、参考いただければと思います。
これを公開した理由としましては、最近テキストマイニングでQFDをつくるということをやっているのですが、QFDを完成したあたりで力尽き、それではどうやって分析するのかをあまり説明できていないためでした。
今後は、QFDの分析についてはこのワーキングペーパーを見てください、と言い訳がましくいえるので、よいかと思います。
前回の反省を踏まえ、今回は図をカラーとしてみました。しかし、図がかすれたり、字の間隔がおかしいところがあるなど、見苦しいところがあり、完成度はまだまだです。
この論文は2013年のものですが、ここで一旦QFDの研究はやめております。その理由は、特許情報から顧客ニーズを引き出すことに無理があると考えたためです。
特許情報から技術情報を引き出すことは可能ですが、ニーズに関する記載は特許性に貢献しないことから、明細書にニーズの記載は基本的にはありませんので、ニーズを引き出すことは無理となります
(これは、BtoCの場合です。BtoBの場合には技術的課題がそのままニーズとなりますので、QFDを特許情報のみで作ることは可能と思います)。
ニーズ情報を集めるためには、アンケート調査を行う必要がありますが、大規模なアンケート調査は時間とコストがかかりますので、私のように貧乏弁理士には不可能ということで困り、研究ストップとなりました。
それで、2016年に共同研究者の方が、SNSとかレビューとかなら、大量かつローコストで顧客ニーズを集められるのではないかと提案されて、それ以降、顧客ニーズはアマゾンから抽出して、BtoC商品でもQFDが作れるようになりました。
それで、2017年に共同研究者の方が、テキストマイニングを使用したら、もっと楽にQFDを作成できるのではないかと提案されて、それ以降、テキストマイニングを使用してQFDを作るようになりました。
それで今に至るということになります。
今年のテーマはテキストマイニングで多空間デザインモデルをつくるということになりますが、さて、どうなるでしょうか。
2020年3月29日日曜日
ワーキングペーパー投稿について
今日、マーケティング学会へワーキングペーパーを投稿してみました。
ワーキングペーパーは実体審査はされませんので、書式に問題がなければ、今週中に公開されるとは思います(とはいえ、書式で引っ掛かりがちではありますが・・・。)
公開されましたら、リンクを張ります。
内容としましては、特許情報からQFDを作るというもので、2013年の知財学会で発表したものの焼き直しです・・・。
2013年の知財学会は確か大阪で開催されたと思います。私も大阪まで行って発表してきました。
当時は、特許情報分析的な学会発表カテゴリーがありましたので、そこで発表しました(今はそういうカテゴリーはないような気もしますが・・・)。
結構力を入れて、資料を作成したと思うのですが、会場の反応は、ほぼありませんでした(質問者は1人でした)。
思うに、分析が細かすぎて、パワーポイントで視認できない文字となり、誰も発表を理解できなかったのではないかと思います。
これを反省点として、以後の発表では、分析を細かくせず、ざっくりとした分析とし、理解しやすいようにしております。
ただし、座長の方が非常に興味をもったらしく、質疑応答は座長とばかりしていたような気もします。理解者がひとりでもいれば、発表した甲斐があったというものです。
あれからもう7年もたちますので、内容的には多少陳腐化している部分もありますが、QFD分析の基本にのっとった、教科書的な分析をしておりますので、基本を押さえるには参考となる論文と思います。
これをもって、マーケティング学会に投稿できるネタはなくなりましたので、気分的にはすっきりしました。
ワーキングペーパーは実体審査はされませんので、書式に問題がなければ、今週中に公開されるとは思います(とはいえ、書式で引っ掛かりがちではありますが・・・。)
公開されましたら、リンクを張ります。
内容としましては、特許情報からQFDを作るというもので、2013年の知財学会で発表したものの焼き直しです・・・。
2013年の知財学会は確か大阪で開催されたと思います。私も大阪まで行って発表してきました。
当時は、特許情報分析的な学会発表カテゴリーがありましたので、そこで発表しました(今はそういうカテゴリーはないような気もしますが・・・)。
結構力を入れて、資料を作成したと思うのですが、会場の反応は、ほぼありませんでした(質問者は1人でした)。
思うに、分析が細かすぎて、パワーポイントで視認できない文字となり、誰も発表を理解できなかったのではないかと思います。
これを反省点として、以後の発表では、分析を細かくせず、ざっくりとした分析とし、理解しやすいようにしております。
ただし、座長の方が非常に興味をもったらしく、質疑応答は座長とばかりしていたような気もします。理解者がひとりでもいれば、発表した甲斐があったというものです。
あれからもう7年もたちますので、内容的には多少陳腐化している部分もありますが、QFD分析の基本にのっとった、教科書的な分析をしておりますので、基本を押さえるには参考となる論文と思います。
これをもって、マーケティング学会に投稿できるネタはなくなりましたので、気分的にはすっきりしました。
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ご無沙汰しております。 最近投稿をさぼっておりますが、これはこのHPのアクセス数がなさ過ぎて、モチベーションが上がらないからです。 1つの記事のアクセス数が5くらいしかありません(1日ではなく、総アクセスで)ので、さすがにひどいと言わざるをえません。 このような状態になったのは、...
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https://note.com/ip_design へしばらく移転します。
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東京オリンピックのメインスタジアムの建設費用が高すぎるとして問題となっています。 今の日本であれば3000億円程度であれば、出せない額ではありませんが、世論的には批判の的となっています。 その理由はなぜかといえば、あのヌメッとしたデザインに3000億円の価値はないと日本国...