年をとりますと老化現象なのか、新しいものを否定的に捉えるようになります。
最近、否定的に考えていますのが、空飛ぶ自動車です、最近いろいろなところで話題になっておりますが、安全性や騒音、航続距離を考えますと、実用化は難しいと思います。
ただし、これは老化現象なのか、それとも単に知識が足りないのか、よくわからないため、空飛ぶ自動車の解説書を買ってみました。
題名は「空飛ぶクルマのしくみ」という2000円の本となります。題名からわかるように専門書というより入門書という感じの本となります。
この本では、空飛ぶ自動車を単なるメカニズムとしてとらえるのではなく、システムデザインからとらえています。
システムデザインとは、初めて聞いた言葉ですが、「システム」は複数の要素が相互作用するとき、その全体のこと、「デザイン」は、システムをつくるときの設計図、設計行為、だそうです。
つまり、システムデザインとは、複数の要素の相互作用全体の設計図・設計行為、となると思います(でよいのでしょうか?)。
空飛ぶクルマの場合の要素には、メカニズムや制御系のみならず、サービス、使い勝手みたいなものも要素となりますし、法律(道交法?、航空法?)なども要素に含まれます。
要は、メカのみならず、その他関連する要素もあわせてデザインするのがシステムデザインというのかと思います。
システムデザインのアプローチによれば、空飛ぶクルマが完成しますと合わせて、市場性や法適合性もデザイン完了しておりますので、プロジェクトの失敗が少なくなると思います。
この話を聞いて思い出しますのが、MRJのプロジェクトです。MRJはメカ的には完成しておりましたが、米国の航空法に適合する構造となっておりませんでしたの、設計変更が生じ、これにより完成が遅れ、コロナの影響により、プロジェクト中断という残念な流れとなりました。
MRJもシステムデザイン的な考えをしていれば、失敗しなかったかもしれません。まあ、後知恵ですが・・・。
さて、空飛ぶクルマですが、あくまでも私見ですが、電気自動車と同様に、人が乗ることにとらわれすぎのような気がします。
空飛ぶクルマについても、無人化すれば、結構用途が拡大すると思いますが、人を乗せることを考えますと、用途は特殊用途しかないと思います。
無人化の空飛ぶクルマとは、すなわち、ただのドローンかもしれませんが・・・。まあ、予想が外れますと、かっこ悪いので、これ以上は、言わないでおきます・・・。