2021年2月24日水曜日

システムデザインについて

年をとりますと老化現象なのか、新しいものを否定的に捉えるようになります。

最近、否定的に考えていますのが、空飛ぶ自動車です、最近いろいろなところで話題になっておりますが、安全性や騒音、航続距離を考えますと、実用化は難しいと思います。

ただし、これは老化現象なのか、それとも単に知識が足りないのか、よくわからないため、空飛ぶ自動車の解説書を買ってみました。

題名は「空飛ぶクルマのしくみ」という2000円の本となります。題名からわかるように専門書というより入門書という感じの本となります。

この本では、空飛ぶ自動車を単なるメカニズムとしてとらえるのではなく、システムデザインからとらえています。

システムデザインとは、初めて聞いた言葉ですが、「システム」は複数の要素が相互作用するとき、その全体のこと、「デザイン」は、システムをつくるときの設計図、設計行為、だそうです。

つまり、システムデザインとは、複数の要素の相互作用全体の設計図・設計行為、となると思います(でよいのでしょうか?)。

空飛ぶクルマの場合の要素には、メカニズムや制御系のみならず、サービス、使い勝手みたいなものも要素となりますし、法律(道交法?、航空法?)なども要素に含まれます。

要は、メカのみならず、その他関連する要素もあわせてデザインするのがシステムデザインというのかと思います。

システムデザインのアプローチによれば、空飛ぶクルマが完成しますと合わせて、市場性や法適合性もデザイン完了しておりますので、プロジェクトの失敗が少なくなると思います。

この話を聞いて思い出しますのが、MRJのプロジェクトです。MRJはメカ的には完成しておりましたが、米国の航空法に適合する構造となっておりませんでしたの、設計変更が生じ、これにより完成が遅れ、コロナの影響により、プロジェクト中断という残念な流れとなりました。

MRJもシステムデザイン的な考えをしていれば、失敗しなかったかもしれません。まあ、後知恵ですが・・・。

さて、空飛ぶクルマですが、あくまでも私見ですが、電気自動車と同様に、人が乗ることにとらわれすぎのような気がします。

空飛ぶクルマについても、無人化すれば、結構用途が拡大すると思いますが、人を乗せることを考えますと、用途は特殊用途しかないと思います。

無人化の空飛ぶクルマとは、すなわち、ただのドローンかもしれませんが・・・。まあ、予想が外れますと、かっこ悪いので、これ以上は、言わないでおきます・・・。

2021年2月19日金曜日

今年の作業テーマについて

今年の作業テーマですが、テキストマイニングを使用したMFTモデルの作成にしようかと考えております。

MFTモデルは、去年やりました多空間デザインモデルをマーケティング用に変形したものです。

市場空間と技術空間に大まかに空間を分けて、その中に、用途空間と機能空間と属性空間を設けます。

 

用途空間と機能空間と属性空間とを、MFTフレームのような感じでテキストマイニングにより関連性を抽出します。

ちなみに、 MFTフレームとは、要素技術(シーズ)と市場ニーズの間に、「ファンクション」(効用)という概念をおくことで、製品化や事業化のイメージを容易にすることを意図したフレームワークのことをいうそうです。Mはmarket、Fはfunction、TはTechnologyの頭文字をとっているそうです。

デザインやブランド分析の場合には、心理空間用語を得るために、顧客の声を収集する必要がありますが、用途については特許情報からとれますので、特許情報のみでMFTモデルをつくれるのではないかと考えております。

そういう意味では昨年よりテーマの難易度が下がってしまいますので、何か新しい要素を入れられないか検討しております。 

ストーリーとしては、特定技術を有する企業が、新市場に進出するために、用途探索をする、というような感じとしたいと思います。技術に関しては、おむつを離れたいと思いますが、具体的には決めておりません。

例年のごとく、5月にデータ分析をして、9月に文書にまとめて、12月に知財学会で発表できればと思います。

2021年2月10日水曜日

脱コンテクスト化と再コンテクスト化について

ネットで特許情報分析を調べますと、いろいろな分析手法があることがわかります。

 

しかし、最近歳のせいでしょうか、特許情報分析のアウトプットをみましても、結局のところ分析により何がわかったのか、よくわからないことが多いです。

 

もちろん、特許情報分析のアウトプットとして何らかの結論めいたことは記載されているのですが、なにかもやもやした印象となります。

 

このもやもや感の原因を考えてみました。

 

ウィキペディアによれば、分析とは、ある物事を分解して、それらを成立させている成分・要素・側面を明らかにすること、とされます。

 

そうしますと、分析によってわかるのは、要素であって、物事全体はわからない、というのがもやもや感の原因なのかと思います。

 

いくら目や口や内臓の分析をしても、人間は理解できないということになるかと思います(もちろん、目や口や内臓の研究は重要であることには違いありませんが)。

 

そうしましたところ、テレビで流し見しておりました放送大学で、脱コンテクスト化と再コンテクスト化という説明をしておりました(何の講義かはわかりませんが・・・)。

 

このキーワードにあてはめますと、例えば、目の研究とは、人間というコンテクストからいったん目を分離して、目の構造を研究をする、いわゆる脱コンテクスト化に相当するのではないかと思います。

 

つまり、特許情報分析とは脱コンテクスト化であるので、要素はわかるが全体像はわからないというのがもやもや感の原因と思います。

 

そうしますと、特許情報分析を理解するためには、脱コンテクスト化につづいて、コンテクストを再構成する再コンテクスト化に相当する処理が必要なのではないかと思います。

 

今では、脱コンテクスト化をIPデザインマトリクスで行い、再コンテクスト化をIPデザインモデルで行えればと考えております。

 

これができれば、特許情報をより有用に活用できるのではないかと思います。

2021年1月21日木曜日

IPデザインマトリクスのまとめ方

勝手にネーミングしたIPデザインマトリクスですが、 

 

 

 

 

 

上記のようなマトリクスを使って分析することを考えています。

このようなマトリクスには、課題・解決手段マップやQFDがありますので、それらの分析手法を流用すればよいことになります。

マトリクスの作成には、マトリクス内には数値(もしくは〇、△など)を書き込む必要があるのですが、方法としては

(1)自分の経験と知識に基づいて適当と思われる数を書き込む

(2)特許情報分析による出願件数に基づいて数を書き込む 

(3)特許情報のテキストマイニングによる共起度に基づいて数を書き込む

があります。

分析手法としては、マトリクスを組み合わせて要素間の関係性を分析することになります。

ニーズ×機能マトリクスと組み合わせれば、デザイン分析となり、

情緒×機能マトリクスと組み合わせれば、ブランド分析となり、

 市場×機能マトリクスと組み合わせれば、マーケティング分析となります。

 

このうち、マーケティング分析はまだやったことがないのですが、最近MFTフレームというのを見つけましたので、その考え方を流用すれば、何とかなると思います(マーケティング学会ネタになりそうです)。

こんな感じでいろいろできれば面白いと思いますが、どうでしょうか?

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