知財学会での発表が終了しました。
前座枠の朝2の発表でしたので、寒い中、9時過ぎに大学の方へ着くように家を出ました。
会場の教室は小さく、やはり前座っぽい感じでしたが、教室が広いと誰もいないがらんと空間に向かって発表するような虚しさを感じますので、人が高密度に見える狭い教室でよかったです。
発表の方は、結局資料は34ページになりましたので、しゃべるのに精いっぱいとなりました。
私の発表は、いつもは会場からの質問がなく、座長との雑談で時間をつぶすことが多いのですが、今回はめずらしくいくつか質問がありました。
話はずれますが、今回の枠は、全般的に会場からの質問が多く、座長からの義務的な質問はありませんでした。めずらしいことです。座長も楽ができてよかったのではと思います。
それで質問内容ですが、まず、今回の発表ではレビュー情報と特許情報を混ぜてテキストマイニング処理をしているが、分けた方がよいのでは、とのことでした。
つまり、レビュー情報は顧客の中から出てくる情報であり、特許情報は企業の中から出てくる情報であり、異なる性質のものではないかということになります。
混ぜるよりも、比較したりマッチングを図る方が良いのではというご意見です。
よく考えてみますと、そもそもQFDとはニーズ・シーズのマッチングをはかるツールです。したがって、ご意見通りの機能を本質的に有しております。
今回の発表では、私が楽をしようとして情報を混ぜてしまったので、QFDの機能がわかりにくくなったと反省しております。
それで、混ぜてはいけないかと、帰りの電車で考えてみましたが、混ぜてもよいのではないかと感じました。
それはレビュー情報には情緒的便益と機能的便益しかほぼ含まれず(ユーザーは、おむつの細かい構成(吸収体など)までは気にしないので)、特許情報には機能的便益と属性しかほぼ含まれない(情緒的便益に言及しても特許性は上がらず、無駄な記載はしないので)ためです。
結局、分けて処理しても、混ぜて処理しても、ほぼ同じとなると思います。
とはいえ、以上のことから、ブランドQFDに関しては、ここで一旦中断して、来年は基本に立ち返り、QFDの分析に戻ろうとは思います。
他の質問としては、テキストマイニングを使用したアイデア出しの件がありました。
実は、今回発表から削除した部分に、それに関する記載が多少あったのですが、そこまで話すと盛りだくさんで何が何だかわからなくわからなくなりますので、残念ながら削除しました。
発表資料の作成作業をしていて気が付きましたが、ブランドQFDを作成する作業というのは、情報を整理する作業となり、そこでは出現件数の多いキーワードが重要となります。
したがって、出現回数の少ないキーワードはノイズ扱いとなり、整理作業の過程で捨てられることになります。
一方、アイデア出しの作業というのは、情報を拡散してゆく作業となり、出現回数の多いキーワードは新規性がない可能性があり重要ではなく、出現回数の少ないキーワードは新規性がある可能性が高く重要となります。
つまり、キーワードの取り扱いとしては、まったく逆の方向となります。
これを一つの発表で説明しますと、まとめるのが難しく混乱しますので、削除した次第となります。 いずれにせよ、テキストマイニングを利用したアイデア出しというのは今後流行る可能性大です。
私以外の発表者に関しましては、内容的には関連がありませんでしたが、便益やコンテクストなど、発表に使用する用語に共通性がありましたので、今後のブランドの研究には、言語学的アプローチや心理学的アプローチが必須となると思いました。