2019年12月21日土曜日

来年について

最近は1年に1つは新しいことをやろうと考えております。そうしませんと、時代の流れに置いてきぼりになるためです。

しかし、義務的に考えますと精神的に苦しくなりますので、できなくてもかまわないという適当な心持で臨んでおります。

来年やろうと考えているのは、以下のような感じとなります。

1.アプリ開発

今年は、KHcoderを使って特許マップを書くという論文を発表しましたが、KHcoderは特許分析用のソフトではありませんので使い勝手が悪い部分もあります。

そこで、KHcoderを魔改造して特許分析用に使いやすくしてみるのもいいと思います。

ただし、KHcoder自体フリーソフトですので、できたアプリが100万円では話になりません。そういう意味では、はたして採算ベースにのるのか?という課題はあります。

私にアプリ開発の能力はありませんので、特許マップソフトメーカーに2,3社あたって、断られましたら、その時点であきらめます。

ご興味のあるメーカー様がございましたら、ご連絡ください。

2. デザイン思考QFDの作成

現在、デザイン思考に使えるQFDを考えておりますが、先行研究がないようですので、少々困りました。このあたりのロジックを自分で考える必要があります。

ひとまず、デザイン思考に関する本を読んで(非常にたくさんあり、何を読めばよいのかわかりません・・・)、ロジックを考えたいと思います。

それができますと、ブランドとデザインと技術の関連性を示すQFDを作成できることとなります。そこで、気が早いですが、ひとまずマークを考えてみました。


品質を中心にして、ブランドとデザインと技術が結合するイメージとなります。品質管理系の人が喜びそうな図です。

ネーミングとしては、IP-QFD、知財QFDあたりになるかと思います(商標出願しないでください・・・)。

できれば、来年の知財学会(東京で開催されればですが・・・)で発表できればと思います。

2019年12月10日火曜日

今後の進め方について

次のテーマは、デザイン思考に資するQFD分析となりますが、これは簡単な話となります。

もともとQFDはニーズシーズマッチング機能がありますので、デザイン思考につかえるのは明白であり、そのような事例も既にあると思います。

では、なぜやらなかったかといえば、デザイン思考自体は何年も前から流行っており、今から始めても後追い感があるからです。(同様の理由でIPランドスケープもやってません。)

では、なぜやるかといえば、今回の知財学会で、最も難易度が高いと思われた、ブランドの分析について、ある程度の道筋がつきましたので、残るはデザインとなったからです。

デザイン分析が可能となりますと、

1、特許情報を用いた技術分析
2.特許情報とレビュー情報を用いたブランド分析
3.特許情報とレビュー情報を用いたデザイン分析

が可能となりますので、特、意、商の知財のすべての分析が可能となります。

そして、QFDは、多数の2元表を組み合わせることが可能ですので、

4.特許情報とレビュー情報を用いた、技術・デザイン・ブランド分析

を1つの表にすることができます。(1つにまとめると逆にわかりにくくなるかもしれませんが・・・。)

そうすると、このブログのタイトル通りの、「知財をデザインする」感がでてまいります。

ということで、4.を最終の目標として作業したいと思います。

2019年12月8日日曜日

ブランド的な商品開発の課題について


学会発表も終わりましたが、発表の主題を、テキストマイニングによるブランドQFDの作成から、ブランド的な商品開発へ変更しておきました。

ブランド的な商品開発を簡単に言えば、自己表現や情緒を充足するよう技術開発をすることとなります。



と、簡単に言いましたが、本当にできるのでしょうか?

このような技術開発をするには、自己表現やら情緒やらを、組織が理解する必要がありますが、日本の企業では、情緒的なことは甘えと捉えられ、うけが良くありません。

自己表現より自己犠牲、情緒より論理、というのが今の労働環境ではないでしょうか。

ということで、ブランド的な商品開発を行うには、自己表現やら情緒やらを受け入れるよう、組織が変わりませんとどうしようもありません。

他の考え方としては、日本企業は技術面で頑張り、自己表現やら情緒やら考えないということもあるかと思います。

ところが、この考えにも落とし穴があり、技術とは論理的思考でどうとでもなりますので、模倣に弱いという欠点があります。

つまり、工学部卒の優秀な人材を集めてお金を投入すれば、どこの国でもそれなりのものができますので、優位性を維持しにくい欠点があります(そのために特許があるのですが・・・)。

一方、自己表現やら情緒やらは心理的なものですので、論理的思考では分析しにくく、模倣されにくいという長所があります。

したがって、ブランドを確立すれば模倣されにくいという長所があります(商標の模倣は発生しますが・・・)。

ということで、このあたりを課題として、今後も考えてゆきたいと思います。

2019年12月7日土曜日

発表終了の件

知財学会での発表が終了しました。

前座枠の朝2の発表でしたので、寒い中、9時過ぎに大学の方へ着くように家を出ました。

会場の教室は小さく、やはり前座っぽい感じでしたが、教室が広いと誰もいないがらんと空間に向かって発表するような虚しさを感じますので、人が高密度に見える狭い教室でよかったです。

発表の方は、結局資料は34ページになりましたので、しゃべるのに精いっぱいとなりました。

私の発表は、いつもは会場からの質問がなく、座長との雑談で時間をつぶすことが多いのですが、今回はめずらしくいくつか質問がありました。

話はずれますが、今回の枠は、全般的に会場からの質問が多く、座長からの義務的な質問はありませんでした。めずらしいことです。座長も楽ができてよかったのではと思います。

それで質問内容ですが、まず、今回の発表ではレビュー情報と特許情報を混ぜてテキストマイニング処理をしているが、分けた方がよいのでは、とのことでした。

つまり、レビュー情報は顧客の中から出てくる情報であり、特許情報は企業の中から出てくる情報であり、異なる性質のものではないかということになります。

混ぜるよりも、比較したりマッチングを図る方が良いのではというご意見です。

よく考えてみますと、そもそもQFDとはニーズ・シーズのマッチングをはかるツールです。したがって、ご意見通りの機能を本質的に有しております。

今回の発表では、私が楽をしようとして情報を混ぜてしまったので、QFDの機能がわかりにくくなったと反省しております。


それで、混ぜてはいけないかと、帰りの電車で考えてみましたが、混ぜてもよいのではないかと感じました。

それはレビュー情報には情緒的便益と機能的便益しかほぼ含まれず(ユーザーは、おむつの細かい構成(吸収体など)までは気にしないので)、特許情報には機能的便益と属性しかほぼ含まれない(情緒的便益に言及しても特許性は上がらず、無駄な記載はしないので)ためです。

結局、分けて処理しても、混ぜて処理しても、ほぼ同じとなると思います。

とはいえ、以上のことから、ブランドQFDに関しては、ここで一旦中断して、来年は基本に立ち返り、QFDの分析に戻ろうとは思います。

他の質問としては、テキストマイニングを使用したアイデア出しの件がありました。

実は、今回発表から削除した部分に、それに関する記載が多少あったのですが、そこまで話すと盛りだくさんで何が何だかわからなくわからなくなりますので、残念ながら削除しました。

発表資料の作成作業をしていて気が付きましたが、ブランドQFDを作成する作業というのは、情報を整理する作業となり、そこでは出現件数の多いキーワードが重要となります。

したがって、出現回数の少ないキーワードはノイズ扱いとなり、整理作業の過程で捨てられることになります。

一方、アイデア出しの作業というのは、情報を拡散してゆく作業となり、出現回数の多いキーワードは新規性がない可能性があり重要ではなく、出現回数の少ないキーワードは新規性がある可能性が高く重要となります。

つまり、キーワードの取り扱いとしては、まったく逆の方向となります。

これを一つの発表で説明しますと、まとめるのが難しく混乱しますので、削除した次第となります。 いずれにせよ、テキストマイニングを利用したアイデア出しというのは今後流行る可能性大です。

私以外の発表者に関しましては、内容的には関連がありませんでしたが、便益やコンテクストなど、発表に使用する用語に共通性がありましたので、今後のブランドの研究には、言語学的アプローチや心理学的アプローチが必須となると思いました。

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