先日、ある大学院生の方の研究の進捗の説明会に参加してまいりました。大学院生の方が自分の研究について説明してくれるのですが、ほとんど理解できませんでした。
なんでこのようなことになるかと考えましたが、私の頭が悪いのもありますが、自分の構築した新しい理論のみが説明されていたためかとも思いました。
新規の理論は世の中のいろいろな評価を経ていませんし、そもそも従来にない考え方ですので、論理が正しいのか、いちいちチェックする必要があります。
とはいえ、その場で論理をリアルタイムでいちいち確認するというのは、凡人には無理ですので、話しているそばから理解不能となり、最後までわからないということになると思います。
こういう事態を防ぐには、従来の理論を織り交ぜて、従来理論との相違点を説明することが有効と思います。
従来研究は世間の評価を経ておりますので、論理的妥当性はまあまあ確認されていますし、従来研究については、あらかじめ時間をかけて読み込むこともできますので、凡人でも理解できています。
あとは、従来研究に関連付けて新規の部分を説明すれば、万人にわかりやすいと思います。 (特許明細書もこのような構成になっています。)
そうすると、従来研究の説明9割、新規部分の説明1割くらいで説明すれば、いいのではないかと思います。
しかし、新規の部分が少ないと研究としてはどうかと思いますので、聞く人の能力に応じて8:2とか7:3に調節することになるかと思います。
そう考えますと、新しいことを人に理解してもらうということは、非常に大変であることがわかります。
例えば、掃除機を開発する場合、吸引力を5%改善した掃除機というのは実現し易いと思います。
なぜなら、この程度の改善でしたら、メカニズムのほとんどは、従来の掃除機と同等ですので、経営陣にも理解しやすいですし、開発のGOサインが出やすいと思います。
また、ユーザーも同様に機能が想像しやすいので、買ってみようという気持ちになると思います。
ところが、ロボット掃除機となると、今では普及していますが、出た当時としては会社の人も、ユーザーも機能や構造を理解できませんので、開発のGOサインはでないでしょうし、たとえ販売しても誰も買う人はいないと思われます。
そう考えますと、日本の技術は改良が多いといわれますが、これは日本人に創造性がないのではなく、新しいものは関係者の理解・説得が難しく、実現しにくい事情があると思います。
ということで、従来にない新しい考えを理解してもらうのは、なかなか難しく、実現はさらに難しいという話でした。
2015年11月23日月曜日
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