2019年1月6日日曜日

課題と解決手段について(3)

課題と解決手段がそろえば、特許出願という話となると思いますが、特許性についてまとめると以下のような感じとなります。



解決手段
連続的
準連続的
非連続的
課題
連続的
×
×
準連続的
×
非連続的
(〇:特許性あり、△:格別な効果があれば「特許性あり」、×:特許性なし)


特許出願の仕事をしておりますと、出願依頼の時点では、課題も解決手段も「連続的」なものが多いです。

このままでは、拒絶される可能性があるため、発明者にいろいろヒアリングして、課題や解決手段をせめて準連続な方向へもってゆくことが多いです。

ただし、このような明細書作成段階で、特許性を向上する努力は果たして意味があるか、考えた方が良いです。

発明発想により、解決手段を準連続、非連続な方へもってゆくことは可能ですが、そうすると実際の実施態様とかけ離れる場合があります。

そのような態様について特許化しても、実際に実施しないのですから、特許料を払う分無駄となってしまう可能性があります。

むしろ、むやみに準連続、非連続化せずに、実施態様レベルで審査を受けて、それが拒絶されれば、少なくとも他社にも権利化されないことの確認が得られ、それで十分という場合もあります。

もちろん、特許事務所としては特許査定となれば成功報酬が得られ、「当所の特許査定率○○%以上!」というような広告宣伝もできますので、なんでもかんでも特許にしようとするのですが、そのあたりを出願人は冷静に判断する必要があります。

そう考えますと、発明発想というのは、明細書作成段階ではなく、研究開発の最初の段階でやっておくのがよいということになるかと思います。

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