IPランドスケープは、関連書籍等も出版され、盛り上がりを見せておりますが、いまいち興味が持てておりません。
研修にハズレてなかなか知識を得られないのもありますが、そもそも以下の疑問があるからです。
1.情報が古いのではないか?
特許出願は、基本的に出願から1年6月で公開されます。つまり、特許情報は、最新でも1年6月前の情報となります。
技術分野にもよりますが、技術革新の速い分野では、特許情報は古い情報となります。このような古い情報を用いて分析しても、使える結果が得られるかどうかわかりません。
過去の分析には有用と思います(インテルが90年代に成功した理由の分析など)が、未来がどうなるかという分析には適さないと思います。
2.顧客ニーズがわからないのではないか?
特許情報は技術情報のみが含まれますので、顧客ニーズ等の情報をとることができません。
近年、デザイン思考等の考え方により顧客ニーズの重要性が増しておりますが、特許情報のみの分析からは、顧客ニーズの観点が抜け落ちてしまいます。
3.そもそも競合分析に興味がない
特許情報からは、競合の情報が取れることが大きなメリットとなりますが、そもそも、競合がいるという点で、ビジネスとしては難しい状況になっている可能性があります。
ブルーオーシャン戦略ではないですが、競合不在となるようなビジネスに持ってゆくことが近年の方向とされておりますので、そのような企業には、競合分析は不要となります。
もちろん、競合不在とするには、競合分析が必要ですので、まったく意味がない訳でもありませんが、競合を分析するよりは、顧客ニーズの分析に労力をかけた方が良い結果が得られるのではないでしょうか。
結局のところ、特許情報は、技術データベースとしては優秀ですので、技術分析に使用するのはよいですが、それ以上の情報を引き出そうと努力するのは、難しいかと感じております。
なお、IPランドスケープに関する知識は十分でありませんので、上記考えには誤りがあるかもしれませんし、すでに上記欠点を補う手法が開発されているかもしれません。
2019年7月20日土曜日
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