ライバル企業が良い製品を出しておりますと、分析して自社製品の改良に使いたくもなります。
しかし、ライバル製品の構造を分析して、良いところをそのまま自社製品に取り入れますと、いわゆるパクリ製品のような感じとなります。
当然、そのような構成には何らかの知財権が存在すると思いますので、パクることは道義上の問題のみならず、知財権上の問題が生じる可能性があります。
そうしますと、ライバル社の製品を分析することはよいのですが、よいところがわかった場合にどうしようという問題があります。
例えば、弁理士にお願いして、鑑定をしてもらい、技術的範囲に属さない程度に構成要件を改変する、類似の範囲に入らないように外観を変更する、というのが一つの進め方となります。
そう考えますと、製品の構成を真似することに着目しますと、窮屈な製品開発が求められることになります。開発する方としては楽しくありません(逆に制約がある方が楽しいと思う人もいるかもしれませんが・・・)。
ここで考えたいのが、製品構造とはいわゆる解決手段であり、解決手段には対応する「課題」というものがあるということです。そして、他社が感じている「課題」を真似することは何の問題もないということです。
「課題」に対する「解決手段」というのは無限のバリエーションがありますので、製品開発の自由度は高まります。自社のオリジナリティーのある製品も開発できますので、開発する方としても楽しいかと思います。
ということで、他社製品に注目する場合には、製品の構造に着目するだけではなく、その背景となる他社が感じている「課題」にも着目してみてはいかがでしょうか。
2019年7月31日水曜日
2019年7月20日土曜日
IPランドスケープに興味が持てない理由
IPランドスケープは、関連書籍等も出版され、盛り上がりを見せておりますが、いまいち興味が持てておりません。
研修にハズレてなかなか知識を得られないのもありますが、そもそも以下の疑問があるからです。
1.情報が古いのではないか?
特許出願は、基本的に出願から1年6月で公開されます。つまり、特許情報は、最新でも1年6月前の情報となります。
技術分野にもよりますが、技術革新の速い分野では、特許情報は古い情報となります。このような古い情報を用いて分析しても、使える結果が得られるかどうかわかりません。
過去の分析には有用と思います(インテルが90年代に成功した理由の分析など)が、未来がどうなるかという分析には適さないと思います。
2.顧客ニーズがわからないのではないか?
特許情報は技術情報のみが含まれますので、顧客ニーズ等の情報をとることができません。
近年、デザイン思考等の考え方により顧客ニーズの重要性が増しておりますが、特許情報のみの分析からは、顧客ニーズの観点が抜け落ちてしまいます。
3.そもそも競合分析に興味がない
特許情報からは、競合の情報が取れることが大きなメリットとなりますが、そもそも、競合がいるという点で、ビジネスとしては難しい状況になっている可能性があります。
ブルーオーシャン戦略ではないですが、競合不在となるようなビジネスに持ってゆくことが近年の方向とされておりますので、そのような企業には、競合分析は不要となります。
もちろん、競合不在とするには、競合分析が必要ですので、まったく意味がない訳でもありませんが、競合を分析するよりは、顧客ニーズの分析に労力をかけた方が良い結果が得られるのではないでしょうか。
結局のところ、特許情報は、技術データベースとしては優秀ですので、技術分析に使用するのはよいですが、それ以上の情報を引き出そうと努力するのは、難しいかと感じております。
なお、IPランドスケープに関する知識は十分でありませんので、上記考えには誤りがあるかもしれませんし、すでに上記欠点を補う手法が開発されているかもしれません。
研修にハズレてなかなか知識を得られないのもありますが、そもそも以下の疑問があるからです。
1.情報が古いのではないか?
特許出願は、基本的に出願から1年6月で公開されます。つまり、特許情報は、最新でも1年6月前の情報となります。
技術分野にもよりますが、技術革新の速い分野では、特許情報は古い情報となります。このような古い情報を用いて分析しても、使える結果が得られるかどうかわかりません。
過去の分析には有用と思います(インテルが90年代に成功した理由の分析など)が、未来がどうなるかという分析には適さないと思います。
2.顧客ニーズがわからないのではないか?
特許情報は技術情報のみが含まれますので、顧客ニーズ等の情報をとることができません。
近年、デザイン思考等の考え方により顧客ニーズの重要性が増しておりますが、特許情報のみの分析からは、顧客ニーズの観点が抜け落ちてしまいます。
3.そもそも競合分析に興味がない
特許情報からは、競合の情報が取れることが大きなメリットとなりますが、そもそも、競合がいるという点で、ビジネスとしては難しい状況になっている可能性があります。
ブルーオーシャン戦略ではないですが、競合不在となるようなビジネスに持ってゆくことが近年の方向とされておりますので、そのような企業には、競合分析は不要となります。
もちろん、競合不在とするには、競合分析が必要ですので、まったく意味がない訳でもありませんが、競合を分析するよりは、顧客ニーズの分析に労力をかけた方が良い結果が得られるのではないでしょうか。
結局のところ、特許情報は、技術データベースとしては優秀ですので、技術分析に使用するのはよいですが、それ以上の情報を引き出そうと努力するのは、難しいかと感じております。
なお、IPランドスケープに関する知識は十分でありませんので、上記考えには誤りがあるかもしれませんし、すでに上記欠点を補う手法が開発されているかもしれません。
2019年7月18日木曜日
自分でする特許出願-オンライン出願環境整備-
だいぶ間が空きましたが、マイナンバーカードとカードリーダーを入手しましたので、オンライン出願の環境を整えようと思います。
どうすればよいかというと、
電子出願サポートサイト
http://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/
から、インターネット出願ソフトをダウンロードすればよいだけです。
ダウンロードの方法やソフトの使用法につきましては、上記サイトを読んでいただければわかると思います。
最近の特許庁はユーザーフレンドリーですので、電子出願したことがない方でも、上記サイトは出願できるように、やさしく親切に書いてありますので、大丈夫と思います。
私も家の安いパソコンにダウンロードしてみましたが、特に問題なく起動できました。
次回は、審査請求と、早期審査の手続きをしたいと思います。
どうすればよいかというと、
電子出願サポートサイト
http://www.pcinfo.jpo.go.jp/site/
から、インターネット出願ソフトをダウンロードすればよいだけです。
ダウンロードの方法やソフトの使用法につきましては、上記サイトを読んでいただければわかると思います。
最近の特許庁はユーザーフレンドリーですので、電子出願したことがない方でも、上記サイトは出願できるように、やさしく親切に書いてありますので、大丈夫と思います。
私も家の安いパソコンにダウンロードしてみましたが、特に問題なく起動できました。
次回は、審査請求と、早期審査の手続きをしたいと思います。
2019年7月8日月曜日
テキストマイニングを使用した特許マップ作成について
以前、パテント誌に掲載されました論文「テキストマイニングを使用した特許マップ作成手法の開発」が無料公開されました(以下のURLです)。
https://system.jpaa.or.jp/patent/?freekeyword=%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97
パテント誌の過去の記事を「マップ」で検索しますと、上記ヒット1件となります。つまり、意外にも、パテント誌には「特許マップ」や「パテントマップ」を主題とした記事が1件もなかったということになります。
さて、論文の内容としては、それほどレベルの高いものではありません。
もう少しレベルを上げようと思いましたが、テキストマイニング等の技術的な内容というのは、技術革新による陳腐化のスピードが速く、例えば、5年くらい前のテキストマイニングの本を読んでも、ちょっと古い、と感じさせてしまうような感じとなります。
このような分野でレベルを上げる努力をしても、すぐに陳腐化してしまいますので、つねにレベルアップの努力をする必要がありますが、私はこの分野で食べているわけではありませんので、労力を投入するのは躊躇してしまいます。
そこで、今回は、パテント誌に掲載してもらえるレベルに留めて、今後の改良は、やれたらやるというような感じとしたいと思います。
https://system.jpaa.or.jp/patent/?freekeyword=%E3%83%9E%E3%83%83%E3%83%97
パテント誌の過去の記事を「マップ」で検索しますと、上記ヒット1件となります。つまり、意外にも、パテント誌には「特許マップ」や「パテントマップ」を主題とした記事が1件もなかったということになります。
さて、論文の内容としては、それほどレベルの高いものではありません。
もう少しレベルを上げようと思いましたが、テキストマイニング等の技術的な内容というのは、技術革新による陳腐化のスピードが速く、例えば、5年くらい前のテキストマイニングの本を読んでも、ちょっと古い、と感じさせてしまうような感じとなります。
このような分野でレベルを上げる努力をしても、すぐに陳腐化してしまいますので、つねにレベルアップの努力をする必要がありますが、私はこの分野で食べているわけではありませんので、労力を投入するのは躊躇してしまいます。
そこで、今回は、パテント誌に掲載してもらえるレベルに留めて、今後の改良は、やれたらやるというような感じとしたいと思います。
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ご無沙汰しております。 最近投稿をさぼっておりますが、これはこのHPのアクセス数がなさ過ぎて、モチベーションが上がらないからです。 1つの記事のアクセス数が5くらいしかありません(1日ではなく、総アクセスで)ので、さすがにひどいと言わざるをえません。 このような状態になったのは、...
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